クロード・バルマ版TVミニシリーズ「D'ARTAGNAN」(1969)
2012.01.18 Wednesday
クロード・バルマの1969-70年に放送された、1話90分弱の全4話もののTVミニシリーズ「D'ARTAGNAN」。
購入したものの、しばらく眠っていた仏版DVD(PAL ALL)をようやく観ました。
ジャケットのダルタニャンはそれほどでもなかったのだけど、映像観てみるとダルがオヤジ(笑/俳優さんの実年齢38だけど)。アトスはちょっとクセのある独特な面持ちの渋いオジサン。俳優のフランソワ・ショメットはコメディ・フランセーズの団員さんでした。ポルトスはポルトスらしい陽気な太っちょ(もじゃ髭の下の顔はつるんとしてきれい)。アラミスはあまいマスクのイケメン!(俳優の名前見たらイタリア名だったので納得)。ロシュフォールは苦みばしったカッコいいオヤジ(ロシュもイタリア人)。ミレディはブロンド美人です。
これ、買ってから気づいたのですが、字幕なしだったので久々のフランス語リスニング。といっても、稀に理解可能な台詞ある程度で虚しいものでしたが。
シリーズを通して、時間的制約の中で原作を着々とこなしていったという感があるので、遊びの部分が少なかったですね。それでも、「三銃士」と同じキャストで「20年後」、「鉄仮面」までシリーズで映像化されている作品はそうはないので、なかなか貴重なドラマです。
ドラマの新鮮さを楽しみたい方は、この先ネタバレですのでご注意を。
エピソード1「Les Ferrets」
馬車が破損して道端でランチしているミレディに、通りかかったダルタニャンが色目をつかう(笑)ところから始まるという面白い始まり。ロシュフォールが迎えにきてちょっとした諍いになりますが、原作のような乱闘はなし。
さてさて、トレヴィル邸へ。控え室でポルトスが剣の吊り革を仲間に自慢していたらトレヴィル殿の方からやって来た。枢機卿の護衛士との喧嘩の件でポルトスとアラミスを怒り、アトスは病気で・・・ってくだりでアトス登場!と思ったら、いきなりアトスぶっ倒れた!びっくりしたー。それで、アトスが治療のために別室に運ばれたら、またまたいきなりアラミスがその場にハンカチを落として、ダルとハンカチ騒動。いきなりが多いんですこの作品(笑)。
カルム・デショーでの護衛士とのチャンバラはゆったりめ。ジュサックに特徴なくてつまらんですね(笑)。
グリモー!ホントに何にも喋らん主従です。ちゃんと従者は4人出てきます。主従の説明が(台詞あんまりわからなくても)なんとなく面白い。
ボナシュー家で階下からこっそり肉やワインを掠めるシーンはなかなか楽しくて、プランシェみたいにバレないようにちょびちょびではなく、ごっそり豪快に取ってガキんちょみたいにはしゃぐ四銃士です。
わりと簡単にダルはロンドンへ渡航。なんとここでミレディは、宝石職人を金で買収しようとした挙げ句に殺害してしまうんです。この展開は新しいかも。
その間、三銃士と三従者は街道沿いの宿(往路、ここら辺で護衛士に襲われた)の酒倉で飲み食いして、酔っぱらいオヤジの大ご機嫌状態。そこへ護衛士たちがダルを逮捕しに来ます。四銃士はみんな自分がダルタニャンだと名乗り出て、お互い大爆笑。結局、アトスがダルだと偽って捕まり(リシュリューには間もなくバレたが)、相手を油断させている隙に3人は舞踏会の宮殿へと乗り込みます。そういえば、ジーン・ケリーの「三銃士」では、アトスと、ダルに化けたプランシェが身代わりになるんでしたっけ。
エピソード2「Milady」
鳩が運んで来た(笑)コンスタンスからの手紙を貰い、ダルタニャンがうきうきして行くとコンスの姿がない。ダルはアトスのいる酒場に行き、振られたと思ってぐだぐだしていたら、さぁ、ここでアトスの告白タイム!若かりし頃の再現映像はなしです(笑)。
女なんか信じられるかーって教訓(?)だと思ったのに、ダルはミレディとラブラブデート。で、ミレディの肩にユリの紋章の焼き印を見つけてしまう。
場面はラ・ロシェルへ。海辺で狙われるダル。暗殺者から金をせしめ赤鳩亭へ飲みに繰り出す三銃士たち。そしてアトスとミレディの対決へと至るんですが、どうも美人すぎるからか、感情的にならないからか、このミレディ、あんまり毒々しいコワさがない。
このエピソードの派手な見所は、サン・ ジェルヴェの砦でしょう。あれ、アトスもスイス兵も懐中時計持ってるんですね。懐中時計って他の「三銃士」作品に出てきたことありましたっけ?
敵からは攻めるには船しか手段がない場所に砦は位置していて、今回は従者も4人共ついてきます。なんだかんだいって、砦の中に立派な食卓が出来ている。食堂のあるじが安いシャンパンをよこしたネタもあり。ここで初めてグリモーがしゃべった!食事中だと、敵前に堂々と姿を現して言うアトスに、爆弾を投げつける敵兵は無粋ですよ。ナプキン旗がないのが残念。すごい、導火線繋げて銃の連射。やっぱりこの原作シーンは大好きです。
フェルトン籠絡、コンスタンス毒殺と続き、いよいよミレディの処刑へ。ラストのカメラがなんともいい。5人(ウィンター卿も)の横顔のアップが一人ずつ順繰りに映されていき、ミレディの絶叫で後ろのダルの方を振り返るアトス・・・。正義は行われた。
第3話「Le Vengeur」
絞首死体で始まる穏やかでない冒頭。ベチューヌ近郊で、出た、謎の修道僧モードント!一見真面目そうなんだけど、カッと見開いたときの眼が執念深そう。
ダルタニャンは20年後になってやっと役者さんの齢相応になりましたねー。ダルがマザランから軍資金をせしめて帰ったあと、引き出しの中の残りの金勘定しているマザランが笑えます。やっぱりリシュリューと比べると俗っぽい。
さて、ダルタニャンがいよいよ旧友を探しに旅に出ます。
ダルがアラミスを訪ねた後、(アラミスがアトスに手紙を書いてる)いきなり場面はアトスん家に。感動の再会劇がない!っていうか、ラ、ラウルがいない!!!ポルトスはここにいます。アトスがいないところで、マザランは男爵にしてくれるかな?とこっそりダルに話しかけていました。
クロムウェル軍との戦いは呆気なく終了。捕虜になってしょんぼりして歩くチャールズ一世とアトス・アラミス。
チャールズ一世救出作戦は、なんとダルが図面を描いて計画立ててます。壁を懸命に砕くご苦労なアトス。いつも思うのだけど、この役、ポルトスの方が早いんじゃ・・・アラミスも手伝ってましたが。アトスが掘っている音が暖炉の下から聞こえてきているところがリアルで虚しい。断頭台の下にいるアトスに、息子のことを頼んで露と消える英国王。Adieu, mon ami, adieu。アトスその瞬間気失ったー。血は額に滴りません。
モードントと四銃士の対決へ。この頃にはモードントも大分気味悪くなってきました。決闘を断ったアトスに、あなたは怖いんだと蔑むモードントのあたりとか血走ってて。
でも、シツコク海からアトスを襲ってくることもなく(アトスが情にほだされることもなく)、モードントは船の爆破と共に海の藻くずとなります。
第4話(Le Masque de Fer)
一人の男が田舎の墓地を訪ねる。墓碑には、
COMTE DE LA FERE dit ATHOS 1595-1663
とある。えええーーー!鉄仮面編、アトスすでに死んでる!!!ラウルが出てこないと思ったら、今度はアトスまで。「ソフィー・マルソーの三銃士」のように、実は・・ってくると期待したら最後までそのまんま(コメディじゃないってコレ)。いくらアトスが絡むエピを省略したからといっても、あり得ないです(悲)。しかも、鉄仮面事件って1661年設定じゃなかったっけ。
男は英国王チャールズ二世。アトスの父への忠誠に墓前で感謝していたんですね。供花にはリメンバーの文字が。
話はモンク将軍などイギリス編は端折り(そもそもアトスがいないから)、英国の件は片付いて、マザランは死の床に。ダルタニャンはフーケの所領を探りにベル・イール城塞へ行き、馬鹿力を発揮していたポルトスと再会します。設計図に記されている文字からアラミスが係わっていることに勘づいたダル。ここから鉄仮面エピソードに。
見解の対立にアラミスとダルは言い合いになるんですが、ダルが「アトスなら・・・」とか言うと(王家に忠誠云々ってことだと思うんですけど)、アラミスが「アトスは死んだ」と返すところが悲しい・・・。
フーケ邸でのルイ14世とフィリップのすり替え作戦。階下ではポルトスが、ルイの寝ているベッドのカラクリをぐりんぐりんと回している。ルイ、ベッドが沈む途中で目覚めて、あれ?と思っているんだけど状況が理解できず、ぼんやりしているところがちょっと可笑しい。アラミスとダルは剣を抜くところまでいくけれども、結局、誘拐の途中でルイはダルに救出されます。
三週間後、ベル・イール城塞に立て篭るアラミスとポルトス。アラミスは君を騙していたとポルトスに正直に謝り、友情を確かめあった二人。ここんとこ、原作で泣けるんですよね。彼らに助力しようとして塔に閉じ込められてしまったダルは、プランシェの助けで楽々脱出します。
追いつめられたアラミス・ポルトスは洞穴に逃げ込み、アラミスはボートの準備を、ポルトスは足が痛んで歩けないので留まって爆薬の準備をしていると、外から「ダルタニャン!」と叫ぶ声が!その声にみなハッとします。そこへ、なんとか友を救わんとダルが洞穴の中に入って来る。ポルトスは笑顔で迎えようとした瞬間、攻撃兵がなんとダルを撃っちゃう(!)。捕まりそうになったポルトスは爆薬に火をつけ、洞穴を出たところで突然足が動かなくなってしまう。見つめ合うアラミスとポルトス。この間(ま)がツライ。次の瞬間・・・。結末がわかっていても埋まっちゃうところは悲しくて涙が出そうになります。だって、岩の間からポルトスの手が動いてるんですよ(泣)。
この地にポルトスの墓を立ててやったダルタニャンで終わるラスト。そこには、逃げたはずのアラミスも。
というわけで、アトス死んでる終盤でした(苦笑)。チャールズ二世を出すならモンクエピソード入れて欲しかったですね。ま、なんやかや言いつつ、「鉄仮面」も半ばになると、アトスの不在も忘れてアラミスのイタリア系お顔に惹かれている自分でしたが(笑)。アトスのクセのあるお顔も段々ツボってくるんですけどね。
おおよそ原作通りに進んでいるのに、なにか淡々としているように感じるのは、ロシュフォールなど、敵側の描写が淡白だからかもしれません(ジュサックつまらんし)。その辺がちょっと物足りないのでした。















