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クロード・バルマ&ジャン=ポール・ベルモンド版テレビ映画「Les trois mousquetaires」(1959)(追記あり)

三銃士 | 01:21 | comments(2) | trackbacks(0)
クロード・バルマ&ジャン=ポール・ベルモンド版テレビ映画「Les trois mousquetaires」(1959)。監督はクロード・バルマ。モノクロ作品。仏語音声、字幕なし。PAL 2

ジャン=ポール・ベルモンドのダルタニャンです。自分にとってベルモンドといえば、アクションものよりも、「勝手にしやがれ」や「いぬ」が強烈でした。そのベルモンドのダルタニャン。ダルっぽく軽快で青臭いです。
アトスはオヤジ。実はこのアトス氏、後の同監督作TVミニシリーズ「D'ARTAGNAN」(1969)でのトレヴィルなんですよ!あまりに渋すぎて印象なかったですけど。あ、ちなみにDVDジャケの着色写真はすごく奇妙です。作中、ダルは口ヒゲはやしていますし、一番左の現代風短髪の人物、これアトスだと思いますが、役ではちゃんと、短めですが鬘を被っています。
ポルトスは、ボルドリー版でリシュリューを演じたダニエル・ソラノ。ここんチのポルトスはあんまり目立たなかったので、リシュリューのときのようなカリスマは封印。アラミスが金髪のオールバックでなんだか変。それと、ウィンター卿がボルドリー版でのアトス役のジョルジュ・デクリエールという顔触れです。
59年のバルマ版と61年のボルドリー版はいろいろ繋がりがあって、かつてバルマが演出した「シラノ・ド・ベルジュラック」にはこの59年三銃士組が沢山いるのですが、ロクサーヌを演じていた女優さんがボルドリー版のアンヌと、フランス映画・演劇界のネコヒタ的様相が・・・。
T.N.Pはソラノとトレヴィル役。コメディ・フランセーズの正座員は、プランシェ役とデクリエール。バッキン役は後に正座員に、ボナシュー役は元。そういえば、正座員(Sociétaire de la Comédie Française)リストを見ていたら、ベルジュ版アトスのアンリ・ロランの名を発見しました(笑)。
ボルドリー版のたった2年前の作品ですが、カラーでないことよりも、ほとんどがセット撮影で、あの時代の世界観を補完すべきすばらしい景観のロケのなさが、ここまで作りの印象を違えてしまうものなんだなあと感じます。1921年のベルジュ版ショートサイレント映画でさえ、ロケがステキでしたから。

ここからネタバレです。字幕なしなので、適当な解釈です。


突然、トレヴィル殿の激怒から始まります。通路で書類への署名を願い出ても、後だ後だと怒りまくりで、三銃士を呼びつけます。アトスの怪我は左肩で、かなり痛みでよろけてて、結局トレヴィル殿の握手にも応えられずに倒れちゃいます。フェルー街の乱闘は6×6で、仲間が二人殺られた(多分)と原作通りですね。左肩というのは、これまで観たところでは、あとボルドリー版だけじゃないでしょうか。
おっと思ったのが、アトスが運ばれた直後、アラミスがトレヴィルの執務室前でハンカチを落としたこと。これは後の「D'ARTAGNAN」と同じパターンですね。違うのは、「D'ARTAGNAN」が、ロシュフォールを追っかけてダルが順々に三銃士と決闘の約束をするのに階段を駆け下りていたのに対し、このベルモンド版では階段を上っていくんです。演出の違いが面白い(でも、約束した時間が違くない?/苦笑)。
ここで驚きなのが、なぜかこの場にミレディとロシュがいること!どうやら、ここはトレヴィル邸ではなく、演出の便宜上、王宮に近衛銃士隊長の執務室があるってことになっているんですかね?護衛士たちもうろうろしているし。そりゃ、こんな所にいれば目撃率高くなりますよ。下手すりゃアトスだって目撃しかねないでしょ。
ミレディは黒髪のマダムという感じで、ミレディっぽくない。この女優さん、なんだか明るい性格っぽく見えると思ったらイタリア出身でした。ロシュはすごく変です。鬘が・・・。気味悪いし。それより、マンの町のシーン省略されてましたケド。

カルム・デショーの乱闘。ジュサック出番ありました。意外なのが、なぜかジュサックがウィンター卿を連れているんです。しかも、ジュサックに義理立てして、初めは介添人的に乱闘を面白そうに見物していた彼も、ダルがジュサックを倒すとダルと闘っちゃってる。原作のダイヤモンドの房飾り事件の後の決闘ネタをここに持ってきて、一体彼は、何がどうしてこんなところにいることになったんでしょうね?(笑)そのお陰で、珍しく彼はこの作品で目立っています。
ところで介添人ですが、原作「三銃士」でも出てくるように、立会人・証人であるとともに、ルイ13・14世頃までは、介添人はイコール決闘者となるパターンが多かったようです。介添人参加型の決闘というわけ。介添人がすべてダルの決闘の相手だった対三銃士は別として、ダルとウィンターの決闘にそれぞれ3人の仲間が決闘者として加わってましたよね。面白いのが、近代的な決闘はイタリアで始まったらしいんですが、名誉を賭けた正式の決闘が大流行したのはフランスやイギリスなど北欧でだそうです。なぜなら、イタリアだと血の気が多すぎて(笑)、その場で一族郎党入り乱れての大乱闘になってしまうとか。可笑しすぎる。

閑話休題。
その頃ミレディは屋敷に宝石商を呼んで、石座部分が動く指輪を見ている(それに毒薬を仕込むんですね)。そこへロシュがやって来ます。ウィンターが銃士と戦ったみたいなのとミレディ。おそらく、ウィンターが死ねば、ミレディの息子が男爵家を継げるみたいなことでも言っているのかと。そこへウィンターが陽気に(笑)帰って来た。心配してたのよと白々しく言うミレディ。ウィンター、ダルを連れてきてミレディに紹介し、ご機嫌で決闘の様子を話します。すごい原作組み替えだなぁ。ウィンターがダルを呼びに行っている間にロシュは、今夜(バッキンガム公爵のお忍び)だとミレディに念を押して裏から退散し、ケティはケティで、ワルド伯の手紙をダルに見せてミレディに惚れても無駄よ的?編成替えの所為か展開がやたら早く感じます。っていうか、コンスタンスまだ出てきてないんですけど。

家でぼやくプランシェ。この版には従者はプランシェしか出てきません。極貧で食べ物がなくてボナシュー家から盗むところはいつもの通り。それを嬉しそうに食べているところにボナシューが訪ねて来て、慌てて肉とワインを隠すところが面白い。ボナシューが連行された後で、アトスがやたら物憂げに酒食らってて、もしや!?との期待通り、大告白大会です。早い段階での告白は、仏版サイレントでありましたね。ワインが足りんとプランシェに怒鳴ってるアトス。

そんなぐだぐだしている一方で、なんとミレディとロシュがボナシューの家にわざわざやって来るんです。ボナシュー宅には護衛士が網を張っていて、間違えて捕まえそうに。ミレディの行動がイマイチわからんですね(苦笑)。コンスタンス救出劇の後、コンスはバッキン逢い引きの手引きのために外出しますが、入れ違いに今度は公爵がやって来て、ダルと鉢合わせしている。このボナシュー宅を中心に人物が出たり入ったりする演出は、もしや、場面転換のない一幕で進行する舞台的なのでは。バッキンは銃士の制服を身につけていません。

さて、ダイヤモンドの房飾りの一件へと話は向かいますが、ここでリシュリューが、ミレディに赤鳩亭で待つように指示している(こんときの猫がカワイイ)。ンン、ここで赤鳩亭!?さらにぶっ飛びなのが、コンスがバッキン宛の王妃の手紙をもたらす前に、このタイミングでダルがアトスのところへやって来て、恐ろしいよと、ミレディには烙印があるんだといきなり言い出すんです。アトス、君はあの女は死んだと言ったよねと。えええー、ダル、いつの間にそれ知ったんだ?もちろんミレディとランデヴーしたときでしょうけど(コンスまだ行方不明になってないのに完全二股/笑)、そのシーンがすっぽりと抜けているんです。しかも、赤鳩亭にいることまで知っているし。アトス、ダルにポルトスとアラミスを呼びにやり、自分はトレヴィル殿に掛け合いに行きます。

コンスが王妃の手紙を持って来るのがその後のことで、4人は急ぎ出発。そこに赤鳩亭シーンが挿入されるというトンデモ編(笑)。リシュリューとミレディの密会の隣の部屋では三銃士がスタンバっていて、ストーブの煙突を外して盗み聞き。リシュリュー自ら、ピューリタンのフェルトンという男を利用しろと指図してます。アトス、短銃で脅しミレディから書付けを奪うと、プランシェに短銃を渡し、見張るように命令します。ところがプランシェ、さっきからべろんべろんに酔っぱらっているものだから、ミレディ、プランシェを簡単にやっつけて逃亡しちゃいます。ここんチのプランシェは使えない男なんです。

場面はイギリスへ。ミレディは愛人フェルトンを籠絡して短剣を渡し、バッキン暗殺を仕向けます。おや、ダイヤは盗まないのか・・・?
バッキン、ウィンターと、出航前にラ・ロシェル戦の戦術を立てている。フェルトン、バッキンを刺し、虫の息のところへダルが王妃の手紙を届けにやって来ます(バッキンの暗殺が早すぎて今頃感が/苦笑)。ウィンター、代わりに手紙を読んでやり、しかもバッキンの瞼を静かに閉じてやるというおいしいところ持っていってます(笑)。
ダルはフランスへ戻り(結局、往路も帰路も護衛士の襲撃シーンなし。三銃士は赤鳩亭で別行動だし)、三銃士と舞踏会場に乗り込みチャンバラ(乗り込む前の、ロシュとトレヴィルの張り合い合戦がなんか面白い)。アンヌは、血染めのダイヤの箱を見て驚くという展開。

そして、コンスは尼僧院に匿われている。話が組み替えされすぎているので、何だかわけわからないうちにコンス毒殺。アトスは毒を盛られた杯を見つけ、尼僧長に誰が注いだのか問い詰めると、そこにはウィンターに捕まえられた(!)ミレディが。逃げれなかったミレディなんて・・・。ウィンターが、自分の義妹だから云々と言うと、「俺の妻だ!」って激情に駆られてミレディの肩をめくって烙印を露にしちゃうアトス。おいおい、冷静でないよ。
ラスト、コンスの亡骸の前で悲しむダルを慰める三銃士。アトス、「すべて終わった」。暗澹と道を馬で去って行く4人。

えーと、すごい原作組み替えで、省略もあるし、ちょっと混乱してしまいそうです。しかも、ダルのミレディ略奪シーンがすっぽり省略されているので、ミレディの蛇のような恐ろしさや、ダルを殺したいほどの憎しみが伝わってこない。そのため、コンス毒殺の理由も弱くなってくるような。よって、いささか唐突な「三銃士」に。きっと、より原作に忠実に作りたくてバルマ監督は後に「D'ARTAGNAN」を製作したのではと思いました。ただ、監督はあまり派手なアクションシーンは描かない人のようで、はちゃめちゃに楽しいアクションシーンがどちらの作品にもないのが残念なところ。やっぱり、改変があってもレスター版とか、アクションシーン楽しくて何度観てもワクワクしますもん。ボルドリー版の破壊(笑)はやりすぎですが。


追記:このTV映画はデュマとマケによる1849年に書かれた戯曲「La jeunesse des mousquetaires」を元にしているそうです。これで細かい部分が理解できますね!(るいさんに感謝)

ベルナール・ボルドリー版「Les trois mousquetaires」(1961)第二部

三銃士 | 10:40 | comments(2) | trackbacks(0)
ベルナール・ボルドリー版「Les trois mousquetaires」(1961)二部作。
ネタバレです。


第二部 La vengeance de Milady

すごい展開の第二部です。折角訳したので、ちょっと詳しめにネタバレいきます。

トレヴィル邸での銃士たちの整列点呼で始まります。いつもこんな仰々しく整列しているのかは不明ですが。
そこへロシュフォールが乗り込んでくるのですが、ちょうどアトス・ポルトス・アラミスがいない。ロシュったら、嫌味っぽく、彼らは逮捕されてバスティーユに移送中だなんて伝える。本来はイギリス侵入の企ての罪だけど、それではいささかロマネスクな動機なので、パリの城門での夜間の大騒ぎ(舞踏会の夜のこと)で逮捕したと。ところが、三銃士をダルタニャンが救出し、ロシュが得意顔をしているところに返事しながら入ってきたものだから、またもや枢機卿側は失敗。

ダルが前日アトスに、バッキンガム公爵から王妃への手紙を預けていて、アトスったら、それを剣の柄の部分に隠していたんです。ダルが、逮捕されたとき剣を取り上げられなかったのかい?と聞くと、アトスがスパッと抜いた剣は根元で折れている!(笑)わざと自分で折ったんですね。それで武装解除する必要もなかったし、記念に土産として持っていたのさと。よく見ると確かにポルトスとアラミスは無剣。しかも、手紙が何かも知らず、自分が知る必要のないことには関知しないという、とってもアトスらしい。

ダルはコンスタンスにその手紙を渡します。王妃のところに手紙を持っていくよう自分で言っておきながら、その時間を差し引いてもデストレの家でのデートの5時までまだ余裕があるからと、ダルったらコンスと寝ちゃう(おいおい)。そんなことをしている間に、手紙の話を盗み聞きしていたボナシューがロシュに注進。コンスがアンヌに手渡す頃には手紙の存在はバレバレで、すかさず間者(マダム・ラノワ)が寄ってきたけれど、寸でのところで暖炉の火に投じたので内容は盗み見れず。そのため事は大きくなります。

コンスとダルが馬車に仲良く乗っていると、護衛士が襲撃してきて、コンスを誘拐します。時に、イギリスがフランスに対して戦争の準備をしているということが気になって仕方がないリシュリューは、手紙の内容がなんとしても知りたい。コンスから喋らせようという魂胆です。王妃にもそれとなく皮肉っている。
そんな時、ダルが大胆にもリシュリューのところに乗り込んできちゃうんです。原作では枢機卿の方から呼ばれたエピです。マンでの話でも、ベルナジューを殺した(←こだわってる)カルム・デショーの話でも、イギリスのことでも何でも好きに話すがいいと、リシュリュー。ダルがコンス誘拐の文句を言うと、国家反逆罪の女のことなんか忘れて自分の護衛士にならんかね、ベルナジューの代わりに(←やっぱりこだわっている)と勧誘。それを蹴ったため、ダルは捕まってしまいます。

ダルの逮捕に騒然となった三銃士たち。「君(アトス)はダルに最も影響力があるんだからなぜ止めなかったんだ」「だから俺は女は・・・」みたいな感じで、アラミスとアトスがちょっと口論になりかけます。原作では、もし捕まるようなことがあれば、他の銃士たちも呼んで邸から出てくる馬車を襲おうって勇ましいことだったんですが。とにかく見張ろうってことになります。
投獄されたダルは、ロシュから死刑執行を予告され、次の日、目隠しされてバスティーユに移送されると思いきや、あれ?なぜかいい匂いがする。なんとミレディが馬車に同乗していて、なにやらおかしなムードに。っていうか、ダル、仕草がなんだかすごくやらしいんですけど・・・。
馬車が行き着いた先はミレディの郊外の屋敷。

ここからが、ミレディの騙しとダルの駆け引きが始まります。
ミレディは、房飾りの復讐を女性らしい方法で果たしたい(ダルと寝たい)から、枢機卿に恩赦を掛け合ったと。ダルは彼女を信じないものの、その寝たいトコロは乗ります(おいおい)。
ミレディは、房飾りの件の失敗により枢機卿に睨まれ、命の危険に晒されていると不安がります。ここにダルを連れて来させたのも、その一件の関係者を同時に消そうとする陰謀なのではと。だから今陣営を切り替える時だと。そしてわざとワイングラスを落とし、怖いの、私を守ってと震える。う〜ん、こうやって色気と可愛さで迫ってくれば、初心な時代のアトスも拒めなかったよなと思う(笑)。
そんなとき、ロシュがミレディを訪問。
ミレディは、んもー、いいところなのにと、ロシュに怒る。だからロシュは野暮なのですよ(笑)。ロシュは、ダルに自白させればいいだけなのに、なぜに寝る必要があるんだと妬いています。俺は明日にはコンスから自白書にサインさせるから、不必要に寝るなと。ミレディは、枢機卿の不興を解くにはダルと一夜を明かして告白を得ることだと、ロシュの嫉妬をわざと煽り気味。で、ロシュは妬いた末に、恋しさ余ってミレディを憎んじゃうんだけど、ミレディは野暮な男が邪魔くさいだけだったから清々しちゃう。哀れロシュ。
そんな痴話喧嘩(?)をしている間、ケティはミレディ嫌いさから二人の会話を盗み聞きし、気があるダルへ報告します。ケティは一つダルに忠告します。ミレディの左肩を見たら命に係わると。

ロシュはコンスの幽閉されている修道院に(きっと飛んで/笑)帰って、ダルはミレディの美しさに落ちて君のことなんかどうでもよくなり、手紙のことも自白したと騙して、彼女に、釈放書だと偽って自白書にサインさせます。これでミレディより先に手柄取ったどー喜んだだろうな(笑)。

その頃ケティは外の三銃士たちと合流。ダルの救出作戦を開始します。ところで、ポルトスはアトスとアラミスの帽子の振り方で言いたいことがわかるらしい(笑)。

えーと、もう寝てしまったんだよね・・・。
後悔しているようね、とダルに言うミレディ。あなたが幸せな気分になるにはコンスを助け出すしかないわねと、自分はダルの味方よ的な優しい素振りのミレディ。あなたが逃げたと私が嘘をつけば護衛士(見張り)はいなくなるわと。
ダルは、秘密を打ち明けるのが条件だろうと、騙されません。それで私とコンスの命が助かるのよ!と迫るミレディ(あれ?そもそもダルは手紙の内容までは知らないんじゃ・・・?)。ダルは保証にコンスの幽閉されている場所を言わせます。ミレディは、ベチューヌのカルメル会修道院だと言うが、ベチューヌまで馬で4日はかかるからロシュが今日明日にコンスの自白を得るのは不可能だ、もっと近くのはずだと。ダルはそこから優しげな仮面を取って、愛も何もかも枢機卿の命令だった中で、真実はミレディの肩の印だけだと彼女を乱暴に引っ掴む。ユリの烙印がー!
ミレディ叫び、護衛士にダルを殺せと命じ、またまた家具をめちゃめちゃに壊して大乱闘。屋敷の外にはダルを救出しにきたプランシェと三銃士らが。

まんまと脱出したところで、アトスなにげにミレディのことを聞くと、ダルから意外な言葉が出てアトス愕然!ミレディのことアトスわかっちゃいます。そして、すぐさまコンスの身の危険を察し、彼女を救出に行きます(コンスの囚われている修道院はミレディの屋敷から馬で一時間かそこららしい)。修道院で無駄に暴れているポルトスを止めるアトスがニヤニヤ笑っていてちょっと面白い。

ここからです、この作品がアトス的にすごくなるのは!(笑)
コンスを連れた一行は、なんと、いっときの隠れ家としてラ・フェール邸に立ち寄るんです!ラ・フェール邸ですよ!!グリモー、アトスに何か言いたげなんですけど。
周りを堀で囲んだ(空堀だけど)、雰囲気よさげな屋敷。門をギギ〜と開けて感慨深げなアトス。イヤな想い出というより、懐かしむ感じです。門は開いているが、ドアは施錠してあるらしく、窓を割って自分チに侵入するアトス。居間には先祖の肖像画がずらり。あちこちに蜘蛛の巣張ってます。
友人らを家の中に招き入れ、グリモーにあれこれ指図すると、あのグリモーが心配故に、彼らは承知しているんですかと余計なことを口にしたもんだから、アトスは、俺が言ったことをしろとピシャリ。
アトスはダルにこっそり話しかけ、みんなから離れて或る部屋へ。そこでアトスの大告白大会!(笑)
ぐわーー、バッキンガム顔負けの、ミレディの肖像画をででーんと飾った恋に狂った部屋!(爆)いやもう、ここまで見せたらあれでしょ。アトス、すぐに自分の妻だったと認めてます。でも、ここんチのアトスは飲んだくれでないので、いつものようにぐでんぐでんに酔っぱらってたり、愛憎取り混ぜダメダメモード出してないんです。さっぱりしたものなんだけど、この部屋・・・。ホントのところは未練たっぷり?とか(笑)。ミレディは縛り首ではなく、追放したらしい。アトスは彼女のカタをつける覚悟をします。

さて、コンスは釈放される前に何やら怪しい書類にサインさせられたと知り、ダルらはびっくり。
一方、自慢げにコンスがサインした自白書をリシュリューに見せるロシュ。愛(ミレディ)よりも力(自分)の方が自白が早かったでしょと。ところがその自白書は、単に、ダルから渡されたバッキンガムの手紙を王妃に届けたというだけのもの。リシュリューはキレます。知りたいのはバッキンガムが戦争を仕掛けるつもりかどうか、ラ・ロシェルを攻撃するのかどうかで、もはや王国の存続を考慮してのことなのに、ロシュは間抜けにまだ王妃の失墜のネタ探しや、ダルを消す次元にいる。使えない男なのです。

ここで、更なる展開が。王妃の許へアトスが、なんとラ・フェール伯爵として拝謁しに来たー!ラ・フェールは王妃の婚礼の行列の中にいたという。ルイ13世との結婚は1615年だから、原作設定を基本とするならその頃アトスまだ10代!ってことは子爵としてか?そんな坊やをなぜにアンヌは覚えているんだろう?
ま、それはともかく、アトスは伯爵然として優雅に入ってきます。周りに取り巻きがたくさんいるので、何気なく最近イギリス旅行へ行っておりましてねと話しかけ、ハッと察した王妃もお庭自慢の話題で返しながら、アトスはこっそりと危険な書類があること、そしてコンスの保護の依頼をします。コンスがなぜかアトスの姪になってます(笑)。そこでアンヌは、シャイヨのアルマンティエールの修道院長宛の手紙をドイツ語で書くのですが、間者が見てるって!固有名詞だけでバレバレだって!アトスその手紙を受け取るも、マダム・ラノワに何か感じたのか、一瞬だけジッと見ます。王妃も抜けてるが、アトスも相当間抜けです(苦笑)。気づけよ、っていうか、やっぱりお殿様気質なんだなぁ。

早速シャイヨにコンスを送り出します。実はケティがラ・フェール邸について来ちゃっているもんだから、三角関係じゃん?と思っていたら、案の定?そこへ、ルーヴル宮勤務に行っていたアラミスが帰ってきて、明日か明後日にラ・ロシェルに出陣するから、今夜は銃士隊や護衛隊らは外出禁止だと伝えます。ワッと興奮する銃士たち。ところが、アトスはなにやら考え込むと、ケティに耳打ちします。
食料を調達しに行っていたプランシェが、ミレディのところへまっすぐ向かうリシュリューを見かけたと言うと、ケティはびっくりして持っていた皿を落としてしまう。アトスはミレディの屋敷へ行ったので、リシュリューの護衛士に捕まってしまうと。すわ、アトスがヤバいってことになり、散々待たされた挙げ句やっと夕食にありつけると思っていたポルトスはがっかり。

結局リシュリューは手紙の内容を知ることができず、バッキンの戦争介入への意図がわからないので、ミレディに彼との談判を命令します。そして最後の手段も辞さないと暗示して。
そこへ、アトスがこっそり屋敷の中へ忍んできました。先にケティも盗み聞きしていた暖炉から話をすっかり聞いてます。そしてミレディとの対決へ。
このアトスがすっごい乱暴者で(笑)、リシュリューの書付けを奪ってミレディを床に投げ倒すんです。だからミレディの悔しさったらないです。悔し涙まで流しています。かつて愛のためにできなかったことを、今、友情のためにする(ミレディを殺す)んだわ!ってミレディは叫ぶ。女としてはそれは悔しいかもね。アトスは、ダルとコンスに今後指一本でも触れたら殺すと言い捨てて去ります。あ、短銃での脅しはありませんでした。
この後のミレディが不気味。あの、みんなが盗み聞きしていた暖炉の扉を閉めながら、バッキンガムの暗殺の責任はラ・フェールにあると不気味に笑うんですよ。
そして、フランスに亡命している設定のフェルトンのところへミレディは突っ走り、(って、いつの間にフェルトンの愛人になっていたんだ?)バッキンがユリの烙印を押したのとフェルトンを騙くらかして暗殺させます。

その頃、バッキンガムの艦隊出航の情報を得たリシュリューは、この国家の重大事に銃士やダルへの恨みにこだわっているロシュを叱り飛ばします。ロシュは、ミレディがバッキンを殺しかねず、その場合、この事件の証人のコンスを手に入れるべきだと申し出ます。そして、干渉するかもしれない者の武装解除も。

その間、ダルは驚異的な(笑)奉公によりついに銃士に。この驚異的な内容をトレヴィルは皮肉ってますね。しかも目隠ししてびっくりさせる意地悪さ。銃士への任命に、アトスはダルに剣をかけてやり、ポルトスは制服を着せて、アラミスは帽子を被せてやります。その直後、バッキン暗殺のニュースが飛び込みます。トレヴィルが、枢機卿に話しておけばバッキンは死ぬことはなかっただろうにとダルを多少咎めると、ハタと、コンスが危険なことに気づいたダルたち。4人が飛び出そうとすると、戦時体制中だから脱走兵になるぞと隊長。それなら銃士隊になんか入りたくない!とダルは銃士の制服を脱ぎ捨てます。ガスコンらしい勇敢な石頭に興奮したトレヴィルは、明日の朝の点呼までの外出を4人に許可します。

さて、どんどんトンデモ展開いきます。尼僧院で、なんとミレディはコンスを短剣で刺してしまう!コンスはダルたちに傷を隠し、ミレディを追って、もう彼女が私を殺すことはないから安心してと嘘をつきます。ダルたちは駆け出しますが、アトスがふと振り返ると、コンスは傷を押さえて地面に崩れ落ちてしまう。えー、アトス、傷の手当とか脈とかも診ずに追っていっちゃいます。
四銃士はミレディの馬車へ追いつき、馬車へ飛び乗ったダルは、馬車もろとも坂から転げ落ちます。ミレディが気絶しているダルを殺そうとすると、その手をアトスが短銃で撃つ。俺は警告したはずだと、アトス、短銃を捨てて剣を抜きます。ミレディ、私死にたくない、アトス!と哀願するも、キャーー、アトス、剣で刺しちゃいました!いや〜、こんなアトス初めててびっくりだ。あれ?ダルの嘆きシーンがない。
一足遅かったロシュら。大乱闘の末、ダルはロシュを殺します。

ラ・ロシェル出陣の日のトレヴィル邸。いよいよ点呼が始まります。4人はまだ戻ってきていない。そこへ今度はリシュリューがやって来ます。近衛銃士は王を護衛するのだから、準備万端か確認しに来たと。点呼の様子を見て、アルファベット順に呼ばないのですかな?とトレヴィルに聞くリシュリュー。だって、アルファベット順じゃAのヒトすぐじゃん。彼らを最後に回した隊長。四銃士は冒頭の点呼のようになんとか間に合って駆けてきます。トレヴィル殿、遅刻した罰でラ・ロシェルで10日間の禁足を申し渡します。結構厳しいのね(笑)。そこへ、ロシュがバカなことをしないように見張りを命ぜられていた護衛士がやって来て、リシュリューに顛末を報告。アトスは進み出て、彼に例の書付けを渡します。猊下、彼らの不敵さを認め、銃士隊はラ・ロシェルへ向け出陣。最後に、あの笑わないリシュリューさん、四銃士に向けて笑顔で手を振っているんですが、それよりも、トレヴィルに向けた笑顔の気持ち悪さ(笑)がすごくてぶっ飛んだです。

なにやらすごい第二部ですが、よくまとまっている作品でした。そもそもダルは手紙の内容知らないんじゃないか?とか、この流れだと、バッキンやコンスの死は間接的にアトスにも責任あるんじゃ・・?ということは言わないでおこう(爆)。ミレディを殺しちゃうアトスにはいやまさかで、飲んだくれでヘタレでないんだけど、これはこれでキリッとした頼もしいアトス全開で、このノリで20年後も観たかったような。第二部オープニングとエンディングの愉快で爽快な点呼のシーンが象徴しているように、とても楽しい「三銃士」でした。

ベルナール・ボルドリー版「Les trois mousquetaires」(1961)第一部

三銃士 | 23:34 | comments(0) | trackbacks(0)
ベルナール・ボルドリー版「Les trois mousquetaires」(1961)二部作です。

この三銃士は、第一部はほぼ原作通りに進んでいるんですけど、第二部に、アトスファン的には結構トンデモおかしな展開があるので(ダル的にも?)、字幕付きでよかったです。フランス語文法を再確認しつつのなんちゃって翻訳作業は楽しかったですね。独学の初級者なので、勘違いあるかもです。(ドイツ版2枚組DVD。独仏音声・字幕付き。PAL 2)


ジェラール・バレーのダルタニャンは、さすがフランスのアドベンチャー映画のヒーローなだけあって、快活で、胸板厚く逞しいセクシーな男。で、かなり女たらしと見た(笑)。
アトス役のジョルジュ・デクリエールは、TVドラマ「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」のルパン役でも有名な、コメディ・フランセーズの名優。よく見るとちょっとカワイイ目で、キレのいい態度の結構元気なアトス。
ポルトスとアラミスの中のヒトもコメディ・フランセーズの俳優。ポルトスは体格のいい、ユーモアと豪快さを合わせ持った顔つきで、アラミスは優しげなハンサムさん。みんな長身で、顔つきもとてもフランス人っぽいし、実年齢も30歳前後なんです。
ミレディ役のミレーヌ・ドモンジョは当時のセックスシンボルだったヒト。ブロンド美人でいて、すごく可愛い。小悪魔的でかなりよろしい。ロシュフォール役はいつでも渋い。でもこのロシュはいかにも悪人面で、傷のせいで左顎ヒゲが一部欠けています。俳優のギー・デロームは、その印象の通り悪役で有名な方らしく、ボルドリー監督や、ジャン・マレーとよく仕事をしています。お茶の間ではよく知られたお顔らしいです(笑)。やはり、ミレディとロシュフォールが個性的にキャラ立ちしてくると断然面白いですね。
リシュリュー役のダニエル・ソラノはTNP 国立民衆劇場の名優なんですが、びっくりしたのが、ジャン=ポール・ベルモンド版(1959)のポルトスだったこと!あの笑わなそうなリシュリューがあの豪快なポルトス!?しかも、デクリエールはここではウィンター卿!忘れているので見直してみたら、確かにそうでした。このベルモンド版(監督はTVミニシリーズ「D'ARTAGNAN」のクロード・バルマ監督)はまたまた変則的なドラマで、ウィンター卿が目立ってたりするんですが、たった2年前の作品に別役で出ていたとは。

ここからネタバレです。


第一部 Les ferrets de la reine

珍しいのが、プランシェと出会うのがマンの町。ダルがスカウトするんです。プランシェは、こんだけダルが喧嘩っ早いとすぐ殺されちゃうんじゃないか、銃士になれたとしても、銃士は貧乏なので給金が貰えないんじゃないかと思っていたりするところが可笑しいですね。プランシェは結構有能で、よくぞスカウトしたという感じ。ロシュがダルに止めを刺そうとしたときにうまく食い止めたのがプランシェなのです。
ミレディはロシュフォールのことを野暮ったい退屈な奴と思っているようで、全編においてそれが態度に出ていて、ロシュが不機嫌に。ちょっと可哀想かな(笑)。野暮なのは確かなんですけど。

ストーリーは順々に進み、トレヴィル邸。
フェルー街での枢機卿の護衛士との戦いは、3対10ということになっています。そういえば、他の版ではどうだったか?
さて、アトスが登場し、トレヴィルの握手でぶっ倒れますが、このアトス、負傷が左肩なんですよ。みんなで助け起こすと、離れてくれと言って、医者の治療も拒否して外の空気を吸いに行くんです。んん、ムキになってなんだか勇ましいアトス。
カルム・デショーでは護衛士5人と乱闘。アトスは怪我が左肩なんで大した影響もなく相手の剣をはじき飛ばしますが、なにげにポルトスがアトスの怪我の様子を心配しているトコがモエる。アトス、ダルをいたく気に入ってますね。ダルがまだ決闘が残っていると言うと、みんなウケて、別の場所での攻撃、つまりアトスん家でパテやボージャンシーのワインで乾杯しようってことになります。

王宮では、「無敵のアトス」(笑)ら三銃士が枢機卿の護衛士に負けたと悔しがっているルイ13世。そこへ今度は護衛士が5人も失われたという。「伝染病かね?」と軽く流すルイに対し、「銃士と呼ばれる伝染病」と返すリシュリューはなかなかユーモアのセンスあります。3人の銃士で乱闘の末残ったのが4人と報告するリシュリューに、私の計算の概念を超えた奇妙な結果だと言うルイも面白い。
なにげにカルム・デショーで殺された護衛士の中にベルナジューがいて、やたらリシュリューが彼にこだわっているような。その代わり、ジュサックの名は全然出てきません。
王の前から退出した後、4人は王宮の廊下でぺちゃくちゃはしゃいで、ラ・シェネーみたいな人に注意されちゃうんですが、その注意に吹き出して駆けていってしまう彼らって・・・悪ガキか!(笑)

ちょっと面白かったのが、ボナシューの家からワインを盗るシーンで、主人たちのために従僕たちがせっせとワインをせしめているのに、自分たちは飲めない。グリモーが、アトスがポルトスを招待するときは君も飲めるよとムスクトンを慰めるけど、ムスクトンはマジに怒ってしまうんですね。プランシェ以外の従者の個性が滅多に表に出ないなかで、このぼやきなんです。

コンスタンスの拉致疑惑を聞いたダルは、三銃士に相談します。ダルは彼女の身を案じているのに、アトスらは恋愛沙汰だと思って真面目に取り合わない。そこで、アトスらの女性論が繰り広げられます。アトスは、女性の美しさが男の不信感を募らせる。女性の美しさにメロメロになる気持ちは死ぬ日までわからんと。どうやらアトスは老いて死ぬと自分で思っているらしい(笑)。原作であんだけ無茶なことしているのに、戦いで死ぬとは思っていないのね。ま、実際老いて死にましたけど。
さらに、今度はボナシューが捕まったことにより、先に護衛士との乱闘の件でガスコンをいまいましく思っている枢機卿に、その下宿人であるダルもいずれ襲われるのではと心配した三銃士ですが、それに対して逃げ隠れせず、コンスを救出し、ロシュを殺すと宣言したダルに、アトスは大感激!その頑固で勇敢さが自分より優っているのを感じて、興奮してちくしょーと言っているアトスが好き。そして、現実不可能なことをしたがるような奴を見たら俺は助力してやるぜとやたら感奮してます。

ここでバサンがアラミスを迎えに来ます。アトスに反して、女性が美しければ美しいほど男は自分の生命を預けられるものだと論じたアラミスは、シュヴェルーズ夫人との逢い引きに。シュヴェルーズ夫人、マトモに出てくるんですけど、どうも黒髪なのがピンとこない。
コンスをアトスん家に匿おうとするエピと、ラ・ポルト エピも出てきます。ルーヴルでダルを見かけ、俺に会いにきたんだろと喜んでいるところが、ポルトスのかわいさかな。そしてアトス逮捕投獄エピも(場面はなし)。っていうか、ダル、なんでプランシェの足を引っ掛けるんだろう(笑)。トレヴィル殿はアトスの逮捕に怒りまくり!この映像見ていると、銃士のルーヴル宮警備の様子が窺えて面白いですね。
ボナシューを連行したロシュを目撃してこの一件のカラクリを理解したダルは、ここから冷静に一計をめぐらします。激怒していたトレヴィルもダルの出方を見ているくらい。
あ、そうそう、暗躍しているロシュの陰にワルド卿がいたりもして、原作とは違う役割でなにげに従弟特別出演していますね。

バッキンガム公の密会はロシュたちにバレて危険な状態。銃士の制服を身に纏い、顔を伏せて気分悪げを装ってダルとパリの城門を通行しようとするんですが、門を開けさせる理由に、彼(バッキン)はロバのように酔っぱらっているからと言ったダルに、バッキンが一瞬反応しているのが笑えます。
結局リシュリューは、三銃士を罰するのに、いつでも任務をサボっていたことでしか追求できないんですね。勤務でないダルがルーヴル宮にいたのもトレヴィルに会いにきたからと言われてしまえばお終い。もう自分で仕組むしかない。

4人は従者を連れてロンドンへ。この版も街道沿いの宿で4人一緒に襲撃されるというパターン。あ、ここにもワルドいました。
アトスは手紙を持っているダルに目配せし、先に行かせようとするものの、結局ダルも乱闘に参加してしまいます。アトスがまた上品でない言葉遣いをポンポンするのがココ(笑)。ダルが戦ってばかりでなかなか先に行こうとしないので、アトスはイライラしているんですね。この乱闘がすごくて、イスやテーブルが飛び交うしで、派手に家具壊しまくりのめちゃくちゃ。

いつものパターンと違うのが、ミレディがバッキンガムの屋敷からダイヤモンドの房飾りを盗めなかったこと。どうしてもバッキンの戸棚の鍵が開かないの。腹いせにミレディは王妃アンヌの肖像画にツバをかけちゃう。任務に失敗したミレディに、今まで彼女に侮辱されっぱなしで頭にきていたロシュは嫌味を言うけど、そもそもダルをロンドンに渡らせたのは誰かしらと、ミレディも負けていない。

フランスに戻ったダルと合流した三銃士を待ち伏せする護衛士たち。ところで、ホラティウス兄弟とクリアトゥス兄弟の決闘(ローマ人とアルバ人の戦い)ごっこって、こんななの?

三銃士らがパリの城門で騒動を起こしている隙に、ダルは房飾りを携えてパリへ潜入。舞踏会場でロシュと出くわします。ダルは剣を抜かずに降参する気配を見せ、油断したロシュをガツンとノックアウト。マンでの戦いもそうだったけど、ロシュ、ちょっと弱いです。
コンスとランデヴーの約束をして、ミレディとリシュリューが復讐に燃えるところで第一部終了。最後のリシュリューのムムム顔。さてどうなるか。


クロード・バルマ版TVミニシリーズ「D'ARTAGNAN」(1969)

三銃士 | 18:25 | comments(0) | trackbacks(0)
クロード・バルマの1969-70年に放送された、1話約90分の全4話もののTVミニシリーズ「D'ARTAGNAN」

購入したものの、しばらく眠っていた仏版DVDをようやく観ました。
ジャケットのダルタニャンはそれほどでもなかったのだけど、映像観てみるとダルがオヤジ(笑/俳優さんの実年齢38だけど)。アトスは渋いオジサンなんだけど、ちょっとクセのある独特な面持ち。演じるフランソワ・ショメットはコメディ・フランセーズの名優さんです。ポルトスはポルトスらしい陽気な太っちょ(もじゃ髭の下の顔はつるんとしてきれい)。アラミスはあまいマスクのイケメン!(俳優の名前見たらイタリア名だったので納得)。ロシュフォールは苦みばしったカッコいいオヤジ(ロシュもイタリア人)。ミレディは美人です。
これ、買ってから気づいたのですが、字幕なしだったので久々のフランス語リスニング。といっても、稀に理解可能な台詞ある程度で虚しいものでしたが。
シリーズを通して、時間的制約の中で原作を着々とこなしていったという感があるので、遊びの部分が少なかったですね。それでも、「三銃士」と同じキャストで「20年後」、「鉄仮面」までシリーズで映像化されている作品はそうはないので、なかなか貴重なドラマです。
ドラマの新鮮さを楽しみたい方は、この先ネタバレですのでご注意を。


エピソード1「Les Ferrets」
馬車が破損して道端でランチしているミレディに、通りかかったダルタニャンが色目をつかう(笑)ところから始まるという面白い始まり。ロシュフォールが迎えにきてちょっとした諍いになりますが、原作のような乱闘はなし。
さてさて、トレヴィル邸へ。控え室でポルトスが剣の吊り革を仲間に自慢していたらトレヴィル殿の方からやって来た。枢機卿の護衛士との喧嘩の件でポルトスとアラミスを怒り、アトスは病気で・・・ってくだりでアトス登場!と思ったら、いきなりアトスぶっ倒れた!びっくりしたー。それで、アトスが治療のために別室に運ばれたら、またまたいきなりアラミスがその場にハンカチを落として、ダルとハンカチ騒動。いきなりが多いんですこの作品(笑)。
カルム・デショーでの護衛士とのチャンバラはゆったりめ。ジュサックに特徴なくてつまらんですね(笑)。
グリモー!ホントに何にも喋らん主従です。ちゃんと従者は4人出てきます。主従の説明が(台詞あんまりわからなくても)なんとなく面白い。
ボナシュー家で階下からこっそり肉やワインを掠めるシーンはなかなか楽しくて、プランシェみたいにバレないようにちょびちょびではなく、ごっそり豪快に取ってガキんちょみたいにはしゃぐ四銃士です。
わりと簡単にダルはロンドンへ渡航。なんとここでミレディは、宝石職人を金で買収しようとした挙げ句に殺害してしまうんです。この展開は新しいかも。
その間、三銃士と三従者は街道沿いの宿(往路、ここら辺で護衛士に襲われた)の酒倉で飲み食いして、酔っぱらいオヤジの大ご機嫌状態。そこへ護衛士たちがダルを逮捕しに来ます。四銃士はみんな自分がダルタニャンだと名乗り出て、お互い大爆笑。結局、アトスがダルだと偽って捕まり(リシュリューには間もなくバレたが)、相手を油断させている隙に3人は舞踏会の宮殿へと乗り込みます。そういえば、ジーン・ケリーの「三銃士」では、アトスと、ダルに化けたプランシェが身代わりになるんでしたっけ。

エピソード2「Milady」
鳩が運んで来た(笑)コンスタンスからの手紙を貰い、ダルタニャンがうきうきして行くとコンスの姿がない。ダルはアトスのいる酒場に行き、騙されたと思ってぐだぐだしていたら、さぁ、ここでアトスの告白タイム!若かりし頃の再現映像はなしです(笑)。
女なんか信じられるかーって教訓(?)だと思ったのに、ダルはミレディとラブラブデート。で、ミレディの肩にユリの紋章の焼き印を見つけてしまう。
場面はラ・ロシェルへ。海辺で狙われるダル。暗殺者から金をせしめ赤鳩亭へ飲みに繰り出す三銃士たち。そしてアトスとミレディの対決へと至るんですが、どうも美人すぎるからか、感情的にならないからか、このミレディ、あんまり毒々しいコワさがない。アトスは短銃でなく短剣で脅してます。
このエピソードの派手な見所は、サン・ ジェルヴェの砦でしょう。あれ、アトスもスイス兵も懐中時計持ってるんですね。懐中時計って他の「三銃士」作品に出てきたことありましたっけ?
敵からは攻めるには船しか手段がない場所に砦は位置していて、今回は従者も4人共ついてきます。なんだかんだいって、砦の中に立派な食卓が出来ている。食堂のあるじが安いシャンパンをよこしたネタもあり(多分)。ここで初めてグリモーがしゃべった!食事中だと、敵前に堂々と姿を現すアトスに、爆弾を投げつける敵兵は無粋ですよ。ナプキン旗がないのが残念。すごい、導火線繋げて銃の連射。やっぱりこの原作シーンは大好きです。
フェルトン籠絡、コンスタンス毒殺と続き、いよいよミレディの処刑へ。ラストのカメラがなんともいい。5人(ウィンター卿も)の横顔のアップが一人ずつ順繰りに映されていき、ミレディの絶叫で後ろのダルの方を振り返るアトス・・・。正義は行われた。

第3話「Le Vengeur」
絞首死体で始まる穏やかでない冒頭。ベチューヌ近郊で、出た、謎の修道僧モードント!一見真面目そうなんだけど、カッと見開いたときの眼が執念深そう。
ダルタニャンは20年後になってやっと役者さんの齢相応になりましたねー。ダルがマザランから軍資金をせしめて帰ったあと、引き出しの中の残りの金勘定しているマザランが笑えます。やっぱりリシュリューと比べると俗っぽい。
さて、ダルタニャンがいよいよ旧友を探しに旅に出ます。
ダルがアラミスを訪ねた後、いきなり場面はアトスん家に。感動の再会劇がない!っていうか、ラ、ラウルがいない!!!ポルトスはここにいます。アトスがいないところで、マザランは男爵にしてくれるかな?とこっそりダルに話しかけていました。
クロムウェル軍との戦いは呆気なく終了。捕虜になってしょんぼりして歩くチャールズ一世とアトス・アラミス。
チャールズ一世救出作戦は、なんとダルが図面を描いて計画立ててます。壁を懸命に砕くご苦労なアトス。いつも思うのだけど、この役、ポルトスの方が早いんじゃ・・・アラミスも手伝ってましたが。アトスが掘っている音が暖炉の下から聞こえてきているところがリアルで虚しい。断頭台の下にいるアトスに、息子のことを頼んで露と消える英国王。Adieu, mon ami, adieu。アトスその瞬間気失ったー。血は額に滴りません。
モードントと四銃士の対決へ。この頃にはモードントも大分気味悪くなってきました。決闘を断ったアトスに、あなたは怖いんだと蔑むモードントのあたりとか血走ってて。
でも、シツコク海からアトスを襲ってくることもなく(アトスが情にほだされることもなく)、モードントは船の爆破と共に海の藻くずとなります。

第4話(Le Masque de Fer)
一人の男が田舎の墓地を訪ねる。墓碑には、
COMTE DE LA FÈRE dit ATHOS 1595-1663
とある。えええーーー!鉄仮面編、アトスすでに死んでる!!!ラウルが出てこないと思ったら、今度はアトスまで。「ソフィー・マルソーの三銃士」のように、実は・・ってくると期待したら最後までそのまんま(コメディじゃないってコレ)。いくらアトスが絡むエピを省略したからといっても、あり得ないです(悲)。しかも、鉄仮面事件って1661年設定じゃなかったっけ。
男は英国王チャールズ二世。アトスの父への忠誠に墓前で感謝していたんですね。供花にはリメンバーの文字が。
話はモンク将軍などイギリス編は端折り(そもそもアトスがいないから)、英国の件は片付いて、マザランは死の床に。ダルタニャンはフーケの所領を探りにベル・イール城塞へ行き、馬鹿力を発揮していたポルトスと再会します。設計図に記されている文字からアラミスが係わっていることに勘づいたダル。ここから鉄仮面エピソードに。
見解の対立にアラミスとダルは言い合いになるんですが、ダルが「アトスなら・・・」とか言うと(この流れだとアトスは国王に失望していないはずなので忠誠云々ってことだと思うんですけど)、アラミスが「アトスは死んだ」と返すところが悲しい・・・。
フーケ邸でのルイ14世とフィリップのすり替え作戦。階下ではポルトスが、ルイの寝ているベッドのカラクリをぐりんぐりんと回している。ルイ、ベッドが沈む途中で目覚めて、あれ?と思っているんだけど状況が理解できず、ぼんやりしているところがちょっと可笑しい。アラミスとダルは剣を抜くところまでいくけれども、結局、誘拐の途中でルイはダルに救出されます。
三週間後、ベル・イール城塞に立て篭るアラミスとポルトス。アラミスは君を騙していたとポルトスに正直に謝り、友情を確かめあった二人。ここんとこ、原作で泣けるんですよね。彼らに助力しようとして塔に閉じ込められてしまったダルは、プランシェの助けで楽々脱出します。
追いつめられたアラミス・ポルトスは洞穴に逃げ込み、アラミスはボートの準備を、ポルトスは足が痛んで歩けないので留まって爆薬の準備をしていると、外から「ダルタニャン!」と叫ぶ声が!その声にみなハッとします。そこへ、なんとか友を救わんとダルが洞穴の中に入って来る。ポルトスは笑顔で迎えようとした瞬間、攻撃兵がなんとダルを撃っちゃう(!)。捕まりそうになったポルトスは爆薬に火をつけ、洞穴を出たところで突然足が動かなくなってしまう。見つめ合うアラミスとポルトス。この間(ま)がツライ。次の瞬間・・・。結末がわかっていても埋まっちゃうところは悲しくて涙が出そうになります。だって、岩の間からポルトスの手が動いてるんですよ(泣)。
この地にポルトスの墓を立ててやったダルタニャンで終わるラスト。そこには、逃げたはずのアラミスも。


というわけで、アトス死んでる最終話でした(苦笑)。チャールズ二世を出すならモンクエピソード入れて欲しかったですね。ま、なんやかや言いつつ、「鉄仮面」も中盤になるとアトスの不在も忘れてアラミスのイタリア系お顔に惹かれてましたが(笑)。アトスのクセのあるお顔も段々ツボってくるんですけどね。
出来はいいドラマなんですけど、どうも微妙に個人的燃え要素を外していてもう一息という感じです。ロシュフォールなど、敵側の描写が淡白なのももったいないかな。

ユアン&コリン「ウディ・アレンの夢と犯罪」

ユアン・マクレガー | 23:21 | comments(0) | trackbacks(0)
ウディ・アレン,ヴァンサン・マラヴァル,プライム・チュウア,ダニエル・ピューマン

「ウディ・アレンの夢と犯罪」ようやく観ました。久々のユアン。やっぱりユアンはカッコカワイイなぁ。といっても、この作品は2007年の映画なので、だいぶ前ですね。「フィリップ、きみを愛してる」より前。あ、フィリップの感想書き損ねてました。美男子ユアンがキラキラしすぎていて(笑)何て書いていいものやらと思いあぐねているうちに日が経ってしまって・・・。

ウディ・アレンなので、自分の相性的に期待と微妙さ半々でした(どっちかというと今までの相性はあまりよくない)。ユーモアでクスッと苦笑してしまうところがあるかなぁと思って観出したら、どんどんとドつぼの破滅に向かっていくばかり!ツイている時でも何の盛り上がった演出もなく、結末への静かな歩みが、ユアン好きなだけに、ユアンがどんだけツライ思いの中にはまっていくのか・・と心配で心配で(笑)すっごくソワソワしてしまいましたよ。ユアンは演じているだけなのにね。
ロンドン三部作の最後の作品だそうで、他の二作がどういう色合いなのかは知りませんが、ウディ・アレンっぽくなかったのが自分にはよかったかも。

実はキャスティングの頃から、ユアンとコリンが兄弟?見えない、あり得ないでしょと思っていたんですが、徐々に、この兄弟アリだとのめり込んで固唾を飲みながら見守ってしまいました。
手に入れたいモノのために算盤はじいて実行しようとするユアン兄ちゃんなのだけど、それでも根がいいから内心ドキドキものなのがカワイイし、ギャンブル好きで少々ワルいこともできちゃうのかなと思っていた弟コリンは、兄貴よりも人がよくって、どうしよぅ〜と狼狽えまくりでこれまたカワイ可哀想になってくる。二人の兄弟の絆の深さと愛情が映像から迸っていて、この二人の俳優以外にもう考えられませんね。普通の青年たちが、ささやかな夢のために(イアンのは結構な野心だと思うけど)愚かにも誤った道に踏み出してしまう。それでも憎めないカワイイ兄弟なんです。

ソワソワハラハラがラストに向けて高まったとき、唐突で呆気ない終焉を迎えて、それまでの緊張感が一気にふにゃふにゃになってしまいました。えぇっ、そうくる!?っていうか、警察ちょいといい加減じゃないですか?ちっとも関連性を疑わない。まぁそこが皮肉なユーモアになっていて、ある人のいい兄弟の夢と破滅を淡々と、何のおセンチも込めないで描いたところが気に入っています。

それにしても、パパが一番可哀想だったですね。みんな、社会的に成功した派手な伯父サンばかり輝かしい存在に思っているけれど、ちょっと疎んじられているパパが家族のために、これまたささやかな家族の幸せのために地道に頑張っているのに。二人の息子を等しく愛してきたって語るところ泣かせますよ。ここが唯一感傷的かな。ママが、頼りになるのは家族だと言っていますが、その家族の一員である伯父(トム・ウィルキンソン、あんたが悪い)が崩壊の元なんですよね。う〜ん、人生皮肉だ。ジム・カーターがちょい役で出ていて嬉しかったです。

「他に道はなかった」と言うイアン@ユアン。ダメですよ、ユアン。オビ=ワンだったらこう言いますよ ''道はかならず二つある'' と(笑)。

「新・平家物語」「源義経」

平家物語 | 17:34 | comments(0) | trackbacks(0)
来年に向けて、そろそろ平家盛り上げ作戦を始めないとなぁ〜と思い、GW中、1972年の大河ドラマ「新・平家物語」総集編 デジタルリマスター版を観たら一気に加熱して、感想も勢いで書いてしまった(笑)。
自分が覚えている大河ドラマは「風と雲と虹と」(1976)からなので、この「新・平家物語」は初めて。平岩弓枝の脚本とは知りませんでした。40年ほど前の作品とは思えないデジタルリマスターの映像のクリアさは驚きです。

三時間の総集編なので、極端にぶった切った平家物語になってしまっていますが、清盛の臨終シーンは圧巻。「死にとうない」は印象的であり、清盛の目指していたものや、それには必須である彼の遺志を継ぐ後継者の不在(一門はたくさんいたのにね・・)を考えると、やり残し感はどうしてもありますよね。福原を去るシーンで、朱鼻の伴卜役の藤田まことがいい台詞言っていました。あの場面でニヤッと笑う清盛が好きです。
仲代清盛、特に晩年は悲しみもたたえた眼の演技がすばらしく、非常に人間的な清盛像を描こうとしていたのではないかと思われるので、全編観てみたかったですね。

以下メモ。
悪左府頼長最期のシーンのナレーション。「最後に勝ち取ったものは、間違いなくこの板輿の棺一つであった」にはちょっと笑った。
信西、ウソかホントかの生き埋めシーンちゃんとあり。
以仁王の自害シーンはやたら思い入れたっぷり。
義仲死の場面、兼平おらず。

仲代清盛はすごい迫力でしたが、私は溝口健二監督の「新・平家物語」での、若者の苦悩を見せつつも、その若者らしい希望が身体から溢れている雷蔵清盛が好きなんですよ。実際の清盛は人から好かれる性格だったようなので、悪漢的面構えの役者ではなく、特に父の忠盛存命中だったらまだまだこの青臭さがとても好感だと思うんです。忠盛パパがなんともいい味で、この映画では殿上から頼長に蹴落とされ、恥じて自刃するという顛末になっていますが、パパ、哀愁を誘うのですよ(涙)。ラストには、清盛からは世を渡る太々しさも感じられるようになりました。雷蔵はこの作品以降、役者としての意識が変わったといわれています。
ちなみに、時子役の久我美子の久我家は村上源氏の家柄というのは有名な話ですね。
それにしても、この頃の日本映画は本当に世界に誇れる作品が多く、今観ても強烈な印象を与えてくれます。初っ端の市場のシーンからしてすごい。その場の匂いが嗅ぎ取れるかのようです。以前のTV放映時に、「溝口健二辞典」というミニ解説がついていて(ナレーションは香川京子でした)、とことん美術にこだわるセットの鬼とのこと。リアリズム重視だけど、時代考証を徹底的にした上でつく映画的なウソは積極的に取り入れる幅の広い人のようで、祇園女御を演じた木暮実千代の斬新でセクシーな衣装はあの時代、驚きだったのではないでしょうか。

吉川英治の「新・平家物語」は20数年前に読んだっきり。当時はめちゃめちゃハマって読んでました。きっと今また読み返したら新鮮に感じることでしょうね。

さて、ノッてきました。どんどん平家祭り。
大河ドラマ「源義経」総集編(1966)。尾上菊之助(現菊五郎)と藤純子(現富司純子)の義経&静です。
第一部。前半はナレーションによる説明と、金売り吉次役の加東大介の語りが多かったですが、壇ノ浦の合戦のシーンは結構すごかった。船上での激しい戦闘シーンと絵巻の画が交互に映し出されるモンタージュに、弓と波の音と、そして、琵琶の音によって生まれる緊迫感。さらに水中カメラも駆使して迫力を増しています。でも、白黒なんで見にくかったのが残念です(これの録画環境がハイビジョンではなかったし)。絵による船の陣形シミュレーションはなかなかよいですね〜。
おっと、教経は山口崇ではないか!(飄々さが好きでした)能登殿の入水の後を追ったのは上総五郎兵衛尉忠光ですか〜?知盛は気張って総指揮。血出したり矢を受けたり、最後にはでかい錨を身体に括りつけての入水の、教経バリの大奮迅なのに、市村サン(竹之丞。5代目中村富十郎)が太りすぎててビジュアル的にガックリで・・・(苦笑)。知盛、忠清をやたら叱りまくっている。
そういえば、悪七兵衛景清の兜の錣を引きちぎるシーンが、もったりと歌舞伎調(?)に盛り込まれていました。ドキュメンタリータッチな部分もあれば芝居的なところもあり、なんとも不思議な作風です。

第二部、佐藤忠信の討死や安宅の関の名場面などを経て、やはり見所は平泉の戦い。有名な緒形拳弁慶の立ち往生だけでなく、みな鬼気迫るものがあって見応え十分。伊勢三郎の笑いながらの死に方もいいが、馬屋で死んだ、田舎剣法的凄まじい戦いをした喜三太が印象的。義経の二刀流は壮絶な上にも美がありました。さすがかな。

今回BSプレミアムで、「よみがえる大河ドラマ デジタルリマスター版 初期10作品」が放映されましたが、色々せわしくて2回分録画し損ねてしまいました。再放送そのうちやるんじゃないかと期待。思いがけなかったのが、「三姉妹」は攘夷志士やら新選組が絡んでくる話だったこと。原作は大佛次郎だったのですね。ちょうど現存している第19話が禁門の変で、桂が逃走するシーンやら、幾松。来島の爺さん戦死やら真木和泉の自決などがあって、もっと観たかったなぁ。 

一歩一歩

雑記 | 11:43 | comments(0) | trackbacks(0)
あのひどく悲しい出来事から一ヶ月半以上経ったのですね・・・。その間、個人的にも大きな問題が降りかかってきて、なんとなく不安定な気持ちになり、ソワソワして何をやっても手につかない。どうしたもんでしょう。しっかりしよう。なんとか日々、仕事ややらなければいけないことのオンと、自分の趣味を楽しむオフの切り替えをうまくやっていこう。
いろいろ語りたいことはあったのですが、気持ちが落ち着かないせいか、どうにも上手く文章がまとまらない。元々上手くはないですが、二三行書いてはボツの繰り返し。ここまで書くのもやっとです。
そんなとき、以前は使い道が(使い方も)よくわからず興味もなかったtwitterに目がいきました。初めは、今回の震災のような何か起こった際の情報収集に役立ちそうだ・・ということからその利点に注目したんですが、短文なら、ブログのように文をまとめる必要もないのではと。
とりあえず初めてみよう。何でも初めてみることは大切ですよね。それが前に進む一歩ですから。

怪奇大作戦 セカンドファイル

映画+ドラマ | 11:08 | comments(0) | trackbacks(0)

すごい久しぶりの更新になってしまいました。
冬籠り中、何故かツボに入ってずっと観まくっていたのが
「怪奇大作戦 セカンドファイル」(笑)。

オリジナル(というか、ファーストといえばいいのか?)の放映はまだ私が赤ん坊の頃。でも、今観ても面白いし、岸田森って渋くてやっぱカッコイイなぁ。岸田@牧史郎は一つのキャラ確立しちゃっているし、岸田森みたいなステキな怪優、現代にいませんよ。だからこそ、逆にセカンドファイルは今風でいいんです。西島@牧が現代的なハンサム君でもいいんですよ。平成牧で。

セカンドファイル、けっこー好きです(てか、この手のモノ好き)。だから飽きずにリピートしているんですが、残念なことに三話しかない。三話目になってくると作り手も熟れてきた感じがわかるので、せめて六話あったら、ずっとずっと見応えあるシーズンになっただろうに。
寺田農とはここでも顔を合わせていたんですね。あれ?「ジャッジ」とどっちが先だっけ?
2007年はどの出演作が先で後かちょっと混乱していたんで整理してみました。この年、秀俊君すごいことになってます。

2007/1/25〜3月初旬「怪奇大作戦 セカンドファイル」撮影
2007/3/6〜4月「丘を越えて」撮影
2007/5/8〜24「真木栗の穴」撮影
2007/6/9「ジャッジ〜島の裁判官」大阪でクランクイン。7/1〜26奄美大島ロケ。7/30〜再び大阪で撮影
2007/6月下旬頃〜9月上旬「山おんな壁おんな」撮影(数話出番がなかったのは奄美ロケ中ですね)
2007/11/6〜12/6「春よこい」撮影
2007/11/17〜「休暇」撮影(5日間くらい)
2007/11/26〜12月上旬「東南角部屋二階の女」撮影
もろダブっていたりするじゃないか仕事が!このヒトは・・・。実はこの時期のにしじーの顔がかなり好きな白丸なのです(笑)。

話は戻って、
ココリコ田中@助さんが意外にうまい具合にチームのバランスとっている気がする。ノムはこんな感じでしょう。さおりちゃんは活発な出来る女の子に変身。
オリジナルでは牧とか町やんとかスパスパとタバコ吸いまくっていたけど、牧=タバコの印象だったのかな?平成牧は禁煙中であります(笑)。

第一話「ゼウスの銃爪」は、ハイテクを使った殺人事件を舞台にそれぞれのキャラのS.R.Iでの位置づけ、世界観を見せる作り方。牧はクールな科学者ときどき天然君(笑)。やっぱりにしじーは白衣姿が似合うなぁ。さすが理系君だなぁ。あ、にしじーの英語も少し聞けます。ちょっと睨みを効かす感じに喋っています(さらに長めにココリコ田中、もっと長台詞で岸部一徳の英語アリ。S.R.Iって優秀なんだぁ)。ここに出てくる某国のエージェントがいかにもそれっぽくって、バレバレで笑う。ジャンルがジャンルだけに、時々大げさなリアクションとるところも笑えるし、ま、そこがいいんですが。
そういえば、コピ・ルアクっておまじない唱えていたのって「かもめ食堂」でしたっけ?ラストの寺田農のズバリな台詞には大ウケ(爆)。残念ながら猫がS.R.Iで飼われているのはこのエピだけ。

セカンドファイルの中で一番好きなのは第二話「昭和幻燈小路」。故実相寺監督が本シリーズ構成を手がけ、さらに演出もしようとしていた作品だけに、縁あるスタッフ・キャストたちによってすごく思いを込められて作られています。思索する牧もちゃんと描写。う、なんと田中哲司がにしじー@牧のお父さんだった。お父さん探して小路を走り回るにしじーにモエますな。アレの存在が、ビジョンだけでなくミツコの想いにも共鳴して、亡き父への情念を牧も駆り立てられてしまった?・・・なんとも悲しい話だけど、昭和30年代の景色はどこかほっこりします。こんな幻想あってもいいかなと。
風呂上がりに旅館の手すりに着物姿で手拭いかける牧と、屋台でおでんつまみながら飲む助さんとノムがなんともいい感じですね。防護服を指摘されて狼狽える岸部一徳が可笑しすぎ。

第三話「人喰い樹」。ちょこちょこ共演している木村多江がお相手。牧ったら、木村多江に見とれているよ(ぷっ)。人と植物の融合という発想は面白いし、第二話の情念といい、いかにも怪奇大作戦的なものの、花粉症はイヤなもんだなぁ。トータス号から降り立ったにしじー@牧がいきなりクションとくしゃみするのがかわいいっス。っていうか、抵抗して足蹴りしたり、病衣でくらくらして意識失ったり、植物の根に冒されて恐怖の叫びを発したり、助さんに止められたりと、にしじー的に見所(?)満載です。

そんなこんなで怪奇な世界を笑いながら彷徨い中。
来月はいよいよ「ハーメルン」の撮影ですかね。

LOVE ASIA 花びらの舞う海へ

映画+ドラマ | 11:39 | comments(0) | trackbacks(0)
ドラマなのにドラマじゃない。まさにぶっつけ本番なドキュメンタリー調ロードムービー。
にしじーの表情、言葉、動き、どれもがその時その場での空気、人との係わりなどから生まれてきたものに思えるほど自然。実際半分はそうなのだろう。脚本も大筋なものしかなかったんだろうし、バハリさん役のヒム・ダムシッさん以外はほどんど現地の一般の人っぽい(バハリさんの食堂の従業員はコーディネーターの兄弟さん?)。言葉がほとんど通じない異国でのやり取りが生々しくて、警備員との意思疎通のもどかしさや、特に食堂のもめるシーンなど、場の、胸がざわつくような緊張感でこっちがドキドキしてしまう(それにしても、ルピア持ってないのにどうやってバス乗ったんだというところはまぁドラマということで)。
それが、福岡の実家に帰ってお父さんとのシーンになると、完全演技中のにしじーなんですよ。現地での何が起こるかわからない不安と興奮の中から生まれる即興的表情とは違う、完全に作られた設定の中で、役者さんと、役者さんとして演技している。コノ変化、見比べるとすっごい面白いです。

食堂シーン、本人実はお腹こわして大変だったらしいけど、いつも通り(笑)食べ物にがぶついているところがすごい。具合悪いから口に入れる量が無意識に少なくなっているとかそんなことは絶対ない。どんなときでもがっついているところがにしじーのにしじーたるところ。ちなみに、あのわけのわからなくてわけのわからない味って何?どじょうのから揚げ??ウダンバラードやグレアヤムは美味しそうだった(撮影の裏話は下にリンクしてある公式HPの助監督さんの撮影日記をどうぞ)。
後でドラマ上お腹が痛いシーンがあるんですけど、さすがに実際に経験したばっかり(苦笑)なだけあって、これまたお腹痛くてトイレがまんしている様子が生々しいんだ。にしじー@洋介の顔色を心配そうに覗き込むバハリさんの表情もうまいんですよね。いや、そこだけじゃなくって、バハリさんってすごいオーラなんです。さすが国民的俳優さんです。

バリ島で板谷さんが登場したところから、なんだか自分の過去に思いを馳せていました。自分も日本を飛び出したことがあるけれど、彼女みたいに強い意志がない半端人間だったな・・って。ちょっと自分を洋介に投影して由実を眩しく見ている感覚がありました。確かにイカットって魅せられるなぁ。

インドネシアには日本の引退した船がたくさん走っているというところで、洋介サイドのドラマの流れに途中からピンとくるものがありましたが、それでもその瞬間は感動。自分探しの旅でのアレはやられるでしょう。涙出るかと思いましたよ。船長に礼を言うにしじーの顔が最高です。それとバハリさんの想いのところもよかった。この海に感じる、人を海が繋げている。あぁ、このドラマのテーマなんですね。

個人的に、闘鶏シーンでのにしじーの表情が面白かった。あれ、素ですよきっと。闘鶏があって、負けた方はその場で殺されるということのみ事前情報としてあったそうですが、ぼーっとその様を見ているのが、いかにもにしじーっぽい気がするんです。ここで派手なリアクションなんかするとかえってウソっぽい。男って、こういうのは案外顔色変えずに見ていそうな気がするから。オダランの感想も、あれ、地ですよきっと(笑)。
あと、名取さんのところへ向かう車の中の洋介とバハリさんが好き。ガタガタの道で身体がバコバコ揺れているんだけど、お互い無言、無表情。でいて内心は深い想いが・・・みたいな。

しかし、洋介みたいな頼りない男がどうして似合うんだろう、にしじーは。


Love Asia〜花びらの舞う海へ〜/テレビ西日本

フラ語4

語学 | 09:08 | comments(0) | trackbacks(0)
このところ某方面が怒濤の勢いで押し寄せてくるので頭がフリーズしてしまった。ちっとも立ち止まらないヒトなのだよヒデの字は!ま、タブチも、男は動かなくなったらお終いってなこと言ってましたっけね。

機能停止状態の時って、全然別のことがやりたくなるもので、しばらくサボリ気味だったフランス語の基礎の仕上げを始めたらやたら集中しちゃって、うまい具合に落ち着いた(笑)。地に足がつかないときは活用を唱えるべし(笑)。

当初の計画では二冊目の「基礎徹底マスター! フランス語復習ドリル」を、NHKラジオ講座の9月分とほぼ同時に終えるはずだったんですけど、某沼が底なしで、ずるずるハマっているうちに二ヶ月も予定が狂ってしまった。
この復習ドリルはまとめ部分が重宝。あれ?これってどんなだったけ?と確認するのに便利です。簡潔だし。練習問題にある「耳をきたえよう」が、最初のうちはちょっと難しかったんですが、すぐに面白くなってきて、かなりツボに入ってやってました。少し低音が難聴気味な私にとって聴き取りにくかった男性の淡々と喋る声が、次第にツボに入っちゃったんですよ。ちょっとホラーっぽい文章を朗読するところなんて、本人普通に喋っているのに不気味で(笑)。幸せなシンプルライフを語るところも全然幸せそうに聞こえない(爆)。できれば練習問題のフレーズすべての音声がCDに収録されていたらもっと使えるテキストなんですけどね。

文法のお勉強はもうやめ。あとは会話と耳の鍛錬をひたすらですね。やると誓った仏語学習の最終月間ですし。一応自分の仏語の目的は、この先行くかどうかもわからないフランス(語圏)で、簡単な語彙でてきとーに(笑)喋れて通じて聴ければいい程度なんで。いやホント、その程度なんです。いつでも何でもいい加減な白丸です。

「ハートにビビッと〜」は、今でもほぼ毎日通勤の車の中で聴いてますが、手頃なフレーズ本がないかな?と探していたら、中古書店で見つけたNOVAのテキストがなかなかよさげ。今はすばる社から再販されています。入門書なんですが会話中心。CD一枚という適度な量(←これ重要。何枚もついていると萎えるんですよ)で、無理のない表現(←これも重要。こんな台詞言わんだろっていう不自然な例文はいただけないですもん)の実践会話とか旅行会話とか、普通に使えそう。これ、実はダイアログが、ゆっくりスピードとノーマルスピードの二種類収録されているんですよ。ゆっくりめはあまりに遅い(苦笑)ので編集して使おう。基礎部分と不要な動詞活用とかも省いたら30分ちょいに短縮できて、毎日の朝練(?)にちょうどいいじゃん。
ちなみに、テキスト巻末の「頻出20動詞の使い方」はいいですよー。同シリーズのイタリア語版にもあるのかと本屋で見たら、内容構成別モノだった・・・。

これで今月は沼での停滞をなくし(笑)、脳の活性化を図って、来年早々からの怒濤のにしじー波に備えます。

 
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