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来た、見た、食った '09イタリア編2(北伊)

白丸 | 諸国雑記 | 15:06 | comments(0) | trackbacks(0)
 パルマは田舎だよ

とイタリア人にもいわれたパルマにやって来ました。なんといっても美食のエミリア・ロマーニャ州です。もちろん目的はクラテッロ!ここからの旅程は私にとっても未知の街巡り。エミリア街道といえば、古代ローマ時代幾多の軍靴が通った街道でもあります。パルマ、トロリーバスが走る、小振りで落ち着いたいい感じの街でしたよ。トラムが無惨にもなくなったどこぞやの都市とは情感が大違い。

ファリーニ通りにサルメリアが多いと聞いたので、そこで見つけたお店で、すっごく気のよいお姉さんにパニーノを作ってもらいました。パンはここ特有だというあげパンと、ポテトが生地に入っているらしいパンに、クラテッロ、プロシュット・クルド、コット等をはさみ遅お昼。パンは微妙だが、ハムは柔らかくって美味しい。味見どうぞという感じで、この地方のランブルスコという発泡性の赤ワインも置いてあって、なかなか良いお店。幸先いいぞと観光開始。

ドゥオーモの横に建つ八角形の洗礼堂。バラ色の大理石の色も穏やかでいいですが、彫刻が、カ、カワイイ・・・。ロマネスク好きの心がまたもや踊ります。パルマのヒットはこの洗礼堂でした。中には働くおじさん









(小学校の道徳の時間に見させられた番組です/笑)たちの彫刻があって、庶民密着系洗礼堂なのだな〜とほのぼの。
天上画もきれいだし、ベンチに座って狭い洗礼堂の中で和みきってました。
あまりにほのぼのしちゃって、そのすぐそばにあったビアレッティというエスプレッソメーカーのエスプレッソ用カップ&ソーサーをつい衝動買い(笑)。

パルマで目指すは、トルテッリが一番旨いと評判のお店。表はサルメリアで、昼間だけ奥がレストランになるんです。
まずはランブルスコ。うわ〜ここんちの美味しいです!こんな美味しい発泡酒久しぶりです。そして、でで〜ん、きました。







サラミのミスト。カメリエレがぱぱっと説明したのをメモったのによると、(多分)左奥からクラテッロ、フェリーノ、コッパ、丸っこいサラミがストロルギーノ、プロシュット・クルドです。旨い!柔らかい!ランブルスコが進む〜。
お次は
トルテッリのミストだ!







奥がカボチャ。真ん中がホウレンソウとリコッタチーズ。手前がポテトのキノコ添えです。
うわっ、このカボチャなんだろう?なんだかスッとする何かスパイスが入っている。で、案外甘く味つけてある。チーズもたっぷりなので胃にどどーんときます。そしてまたランブルスコが進む〜。
いや、美味しかった。多分もう来れないと思いますパルマには。なだけに、とっても満足なパルマ滞在でした。同じく食の街モデナを犠牲にしてパルマに居残っただけありました。パルマは田舎(笑)とバカにはできないんですよ絶対。また前日のサルメリアの前を通ったら、お店のお姉さんが気づいて手を振ってくれました。ホントいい人だったなぁ。


謎のマントヴァ風リゾット

マントヴァにやってきました。マントヴァはもうロンバルディア州に入るんです。そのせいか、突然人の顔つきが変わってきて面白いんです。いわゆる日本人がイタリア人に想像する甘いマスクじゃなくなってくるんですね。

ここで不思議な食べ物を食べました。メニューを見ると、湖のある街なので魚料理も食べられているものの、半ばはパルマと似たような料理だったのですが、マントヴァ風リゾットというのを見つけ、地元風を食べてみなくっちゃねと注文してみると、なんと出てきたのはチャーハン(笑)。







いや、そうとしか表現しようがない。つまりパラパラのお肉の炒めご飯みたいなもの。見た目はどうあれ、懐かしい味で案外美味しかったです。アレ、本当なんでしょうか?ホントにマントヴァ風リゾットというのはああいうものなんでしょうか?レストラン自体は適当に入ってしまったお店だっただけに余計謎が深まります。しかも、この盛りつけの微妙さが名もないお店っぽくてなんとも苦笑モノ。帰国してから調べたら、やっぱりこれがマントヴァ風なようです。すごい。しかもあのお肉はサルシッチャだったのか。

ドゥカーレ宮では有名なマンテーニャの結婚の間より、古代ローマ皇帝の胸像がならんでいる間に燃えておりました、私。うおおおおー、歴代皇帝が並んでいる!各皇帝像の前に立つ度に、皇帝の名を叫んでました(バカ丸出し)。この宮殿、サン・ジョルジョ城に繋がっていて、湖側からみると全体ががっしりどっしり大きくてカッコイイんです。そして向こうにはきれいな湖が広がっていて、船も浮かんでいる。

マントヴァ、パルマよりも全然都会でした(笑)。落ち着いた避暑地という感じです。ちょうど中心の広場にマーケットが出ていて、美味しそうだったなぁ。これまで豚とか牛系ばかりだったせいか、鶏肉の焼いた匂いが香ばしいったら。

帰りがけに寄った、ロマネスクの素敵なサン・ロレンツォ聖堂。実は後で写真見て思わず微笑してしまいました。不謹慎ですみません!十字架のキリスト様がすっごい素朴なお顔つきで、しかもジュリーのTOKIO状態・・・(古!)。









昨日から目をつけていたパスティッチェリアで、マントヴァのアーモンドの焼き菓子ズブリゾローナと旨そうなチョコと洋梨が入ったドルチェを買って電車に乗り込みました。当初はヴェローナ経由でパドヴァに行こうと思っていたのですが、電光掲示に''パドヴァ行き''というのを見つけ、これでいいじゃんと何気なく乗ったらさあ大変。とんでもないローカル線でした。のこのこ進んだものの、面白かったです。途中、''水を飲め''とかいう駅があってウケましたよ。後で調べてみると、どうもBevilacquaさんの中世のお城があるらしいですね。


ジョットはこっちだよ!

聖地と大学の街パドヴァ。すっごい交通の発達した街です。ここはヴェネツィアに近いので、また顔つきが変わってきました。ホント面白い。ホテルへと歩く道すがら、いきなり古代ローマ時代のアレーナがあって燃え再開(笑)。

お茶どきだったので、歴史あるカフェ・ペドロッキへ(中は広くて格調ある感じだったのですが、観光客など雑多いて落ち着けなかったのでバンコでカフェをいただきました)。ここはピアノ・ノービレと呼ばれる二階を見学することができるんですよ。テーマづけられたルネサンスの間があって、舞台効果のように音が聞こえる間もあって面白かったです。中はパドヴァの近現代史の資料館にもなっていて、第二次世界大戦中、爆弾がスクロヴェーニ礼拝堂のそばに落ちたけど不発だったとか(近くのエレミターニ教会は大破壊を受けた)。むむむ、そのおかげですばらしきジョットのフレスコ画が今でも見れるのです。

スクロヴェーニ礼拝堂で熱心そうなイタリア人男性がいて、礼拝堂を出た後に市立博物館の中庭でのろのろしていたら、「ジョット、ジョットはこっちだよ!閉館時間が迫っているから急がなくっちゃ!」と私たちにおいでおいでする。もう時間も遅かったので博物館はパスしようと思っていたけど、好意を無下にしてはと、お兄ちゃんについて行きました。博物館内を関係ない作品は脇目もふらずにずんずんと進んで即ジョットの「十字架刑」の前に!ほら、ジョットだよと凄く嬉しそうで誇らしげなお兄ちゃん。ああ、ジョットだ〜と我々も喜ぶ。で、ジョット終わったからもう帰ろうと思っていたら、今度は「マンテーニャがあるよ!」とまたおいでおいでする。仕方ないな〜とマンテーニャにもつき合う。お兄ちゃんが作品に熱中して学芸員と話している隙に(笑)私たちは出てきたけど、彼もその後すぐ出てきたのでそれら数点だけは是が非にも見たかったというわけなのでしょう。最後は手を振って陽気に帰って行きました。面白いお兄ちゃんでしたね〜。

サンタントニオ聖堂の界隈は聖地であるだけにサンタントニオグッズがいっぱい店頭に飾ってあって、修道士モエとしては買いそうになりましたよ(笑)。
ラジョーネ宮の下はポルティコになっていて、食材店がひしめいていて活気に溢れていました。そこで見つけたお店。サラダ専門店です。これ切ってあってすこぶる便利だな。







パドヴァでのヒット作はコレ。









ハトが彫刻と一体化(笑)。写真撮り終わったら待っていたかのように飛び立ちました。でも、騎士が乗っているのって觔斗雲みたい。


迷宮都市ブラ入門

やっぱり何度でも行きたいヴェネツィア。今回は以下の本を買い込み、ヴェニスの地図に迷宮都市の要チェック事項などを書き込んで意気揚々とヴェネツィアに乗り込みました〜。と、いきたかったのですが、なかなか思惑通りいかず、2、3のコースのちょろっとしか達成できませんでした。でも、ぐるぐるかたつむりの階段屋敷は見れたし、「ベニスに死す」ごっこ(?)もできたし(笑)、アサッシーノ(暗殺者)の橋があった通りも歩けたし、フェニーチェ劇場の裏の船着き場も見れたし、アル・パチーノの「ベニスの商人」で、夜、鍵で封鎖した描写にびっくりしたゲットー地区にも行けたしでそれなりの探訪です(敬虔な教徒の方々が今でも住んでいるのには驚きでした)。
ヴェネツィア迷宮案内の先生は結構私好みのツウな散歩をしておられて、以前からイタリアのあちこちにある街角マリアさまは気にしていたものの、著作読んでからはより注目して位置なんかも見るようになってしまいましたよ。

絶対確認したいと思っていた「赤い影」のエンドロールで映るサン・スタエ教会ですが、ヴェネツィア最終日、ヴァポレットでカナル・グランデを進みつつ拝もうと思っていたのに、突然のショーペロ(スト)で出発時間を変更せざるを得なくって見れませんでした。見るなってこと?(笑)実際、サン・スタエ教会は話と関係あるのかしらん?全編をもう一度観る勇気がとてもなくて、映画で出てくる場所とかが把握できてません。ジュリー・クリスティがぶっ倒れて救急船で運ばれたレストランはサンタ・ルチア駅そばのお店(この奥に見えるホテルの運河側の素敵な部屋に泊まりました)。ちなみに、ドナルド・サザーランドが修復していた教会は多分架空の名でしょうか?

あれ、旨旨レポは?
実は、ヴェネツィアはいまだ、以前ふらりと入った家族経営の小さなレストランの味の衝撃を越える経験がありません。ある意味素朴な家庭料理。アンティパストももちろんですが、そこんちのイワシのパスタ、いや、ホント旨かったんです。
そういうこともあってバーカロなら?と、巡ってみたかったんですけど、ここ数日の寒さで風邪気味だったのでワイン引っ掛けて数軒ハシゴする元気もなく、その代わり、有名菓子屋で食べたドルチェはどれも美味でした。ここにはヴェネツィアの仮面を象ったチョコが売っているんですよ。お土産に買っていったら、モアイ像?って言われちゃいましたが(苦笑)。
料理というより、軽そうな兄ちゃんがやっていた(笑)小さな八百屋で買ったミカンが甘くてすごく美味しかったなぁ。

旅も終わり。やっぱりイタリアはまだまだ面白い。

今回の白丸の個人的イタリア土産の中で気に入ったのはコレ。
つい買ってしまった印鑑と封鑞。なにやら陰謀の匂いがします(笑)。やっぱり封鑞は赤よね(って、一体いつ使うんだ?)。







ただ、ちょっと別のにすればよかったと思っているのが印鑑の柄の部分。木か、印と同じ真鍮にすればもっと渋みが増したのに。どこかで手に入らないかな。なにげに横にあるのはローマ兵のマグネット(←結構嬉しい安い買い物)。


来た、見た、食った '09イタリア編1(南中伊)

白丸 | 諸国雑記 | 23:47 | comments(8) | trackbacks(0)
オリーブ実る南の国

やって来ました南の国。一面オリーブ畑の南部イタリアです。







ムムム、あれはアウグストゥスじゃないか!?







いきなり白丸の古代ローマ妄想頭が刺激です(笑)。こちらスコラチウムの考古学公園ではちょうどデニス・オッペンハイム氏のアート(これ、写真載せてもオッケーかな?)が展示されていて、で、アウグストゥスが突如あんなところに(笑)。私が「あれはアウグストゥスだ!」と主張しても誰もノってくれん(つまらん)。
博物館にはローマ帝政時代のコインコレクションがあって、うおおおお〜!と、目をギラギラさせて驚喜してました、私。面白いのが彫像。首から下は規格品で、首だけ注文主の顔にすればいいようになっているそうです。へぇー。ローマ人の効率の虫がこんな南にも。

カラブリアの友人夫婦とは13年振りの再会。全然変わっていなくて会えてホント嬉しかったですねー。自家製メランザーネのオイル漬け、やっぱ美味しいなぁ。





いつか1ヶ月くらい滞在してカラブリア料理マスターするのもいいかも。


ナポリを見て死ね、ではなくナポリで食べて死ね

ナポリといったらこれ、







ピッツァ!
旨いピッツァはイタリアでもナポリでしか食べられません(断言)。
地元人おすすめの極旨ピッツァ屋はスパッカナポリにあるのですが、今回は以前住んでいた地区の界隈と海岸沿いをウロつくだけなので、ヴィア・デイ・ミッレのお店へ行くことに。ここはテーブルに敷いてある紙が素敵なんですよ。やっぱり皿から落ちそうなモチモチピッツァじゃなきゃね(写真のはちょい小振り)。やっぱり旨い。

腹ごなしに噂のカフェ、ノッチョーラを飲みに行く。このバールでお茶したことはあるんですが、私はカフェラッテ派なので、いつもそればっかりでした。情報もなかったし。うわ〜すっごいドロドロナッツが底に。それでガッサータの水なのね。

そこからぶらぶらと海岸沿いを大好きな卵城まで向かおうとすると、いらっしゃいました。









アウグストゥスさんです。
しかも何か持っています。な、何コレ?(笑)

海岸沿いの売店で、映画「マカロニ」を思い出すタラーリが売っているのに微笑し、のんびりと夕日を楽しみながら散歩していたんですが、何か変。
えええーっ!?トラムがない!!
そうです、あの古き良きトラムがなくなっていました。ショック!ナポリの住民も「そうなんだよ〜」と残念がってました。
驚きといえば、フニコラーレの駅にエスカレータがついている!ここはどこ?私は誰?状態のナポリがあちこちでしたよ。ナポリも変わるんだ。

夕食に、やっぱりナポリでしか食べられない極旨モッツァレッラをむさぼり状態。







(むさぼり食べたので残骸)

結局リコッタチーズのあげピザ、旨旨カルツォーネが食べられなかった。悔しいから作ってみるかな。
ナポリで可笑しかったのが、昼間留守番していたホテルの兄ちゃん。Tシャツ、ゴム草履姿でナポリ弁喋るのはいいとして、喋る口調が「ゴッドファーザー パート2」の若かりし頃のクレメンツァにそっくりで大ウケでした。


秋草や(?) 兵どもが夢のあと

ローマでの白丸の密かな狙いはトライアヌスのマーケット&円柱と、クラウディウス帝のスパゲッティ。
パンテオンのアグリッパの文字を横目で見ながら一路レストランへ。
これがクラウディウス帝のスパゲッティだ!







シンプルですが今まで食べたことない味ですっごく美味しい。なにげに材料を分析してみたので、後で作ってみよう。有名なお店ですが、小振りで雰囲気もとてもよくって、ローマでのお気に入りレストランになりそうです。つけ添えのパンもピッツァ・ビアンカでした。

食後、ナヴォーナ広場から南へ下ってカンポ・ディ・フィオーリのパン屋さんで本格的にピッツァ・ビアンカを頬張る。
生地だけのシンプルなタイプはなかったですが、旨旨。







そこからサンタンジェロ城へ抜け(なにげに「天使と悪魔」ツアーしている・・・)、大天使ミカエルと共にローマの夕日を堪能です。

翌日、いよいよトライアヌスへ。カヴールからスブッラ地区を抜け(カエサルが住居していた下町の庶民地区)、建物の間からコロッセオをチラチラ見ながら(チラチラというのがオツなのです)アウグストゥス、カエサル、トライアヌスのフォロへ。もう白丸の心は踊るばかりです。博物館で踊り狂って写真撮っている私を博物館員は変に思ったでしょうね。カエサルの胸だろうか?見慣れた軍装姿の胸だけがあってホレボレ。マーケットの上からは、ムッソリーニによって分断された通りの向こうのフォロ・ロマーノを眺め、兵どもが夢のあとに想いを馳せました。
円柱に登れるか?と期待したけどこれは無理だったので、外からボーと口を開けながら仰ぎ見るだけでしたが、満足です。
売店で古代ローマ関連の本がやたら心くすぐったんですが、持てる限度だろうと3冊だけ購入(旅中持ったのは旦那)。
ローマ兵グッズもあちこちで探したんですけど、イマイチおおっとくるものがなくて、結局、1コだけマグネットおばさんしてきました。二頭戦車に乗ったローマ兵のマグネット(笑)。


花の都、観光せずに肉汁追い求め

トライアヌス帝の円柱のリレーフの本をニヤニヤ眺めながらフィレンツェへ(絶対変態だ私)。
フィレンツェはいろいろ候補があったんですが、チンギアーレのお店が気になったので行ってみました。
パッパルデッレという太い平らなパスタのチンギアーレ(イノシシ)のソース。やっぱり豚系の味なのですね。これはこれで旨い。でも旦那が食べたトリュフのパスタが絶妙!







元々キノコ自体苦手なんですが、それでも、美味のポルチーニは食べたいと中部イタリアで狙っていました。ところが時期はずれなのかなかなか当たらない。で、その代わりに注文したトリュフのパスタがこんなに旨いものだとは目ウロコです。キノコ好きではないのでキノコがというより、パスタの味が!です。
マンマはひよこ豆の煮込みリボッリートを食べたんですが、少々しょっぱかったよう。日本から来ると、全体的にイタリア料理は塩分強めに感じますね。それでも私は豆好き、特にひよこ豆は大好きなんで、ちょいちょい横からもらって、フィレンツェの塩なしパンにつけて食べてました。

ところでこのお店、壁にかかっている絵にふと目をやると、リチャード3世?えっ、なんでリチャード3世?カメリエレに聞きたくてウズウズしたんですけど場所が場所だけに、違うよメディチ家の誰それだよと怪訝な顔されて言われでもしたらと思って聞きませんでしたが、今だに謎。あれはリチャードっぽかった。でもどうして?

次の日の夜は、目当てのレストランがあったんですけどヘトヘトに疲れていたので、結局、以前よく行ったサント・スピリト通りのお店へ。お店の名のついたペンネは、ビステッカの肉汁を使っているので極旨。昨日、久しぶりのビステッカ・フィオレンティーナに感激したけど、今日の方が断然美味。肉の弾力、味が全然違う。こうまで違うものか。唯一こまやかでないのは、ビステッカが微妙なグラムでの注文ができないこと。3人で700gはキツいですよ(昨夜は600gだった)。
疲れと空腹で一気に食べてしまったので、写真取り忘れ。どどーんとしたビステッカお見せできません。

旨旨の旅もそれなりに順調に来ています。
でもホテルに帰ってから災難が。風呂場でおもいっきりコケました。洗面台に必死になって掴まったものの、背の脇をビデにおもいっきりぶつけ、しばし痛みで動けず。トホホ。

檸檬の花咲く南の国

白丸 | 諸国雑記 | 10:52 | comments(10) | trackbacks(0)
 というわけで(何が、というわけでなんだか)、しばし檸檬の花咲く南の国へ行ってきます。
ここのところ、突貫工事的ローマ月間していたのはこのためです。かなり力入れてドシドシ読みまくってたんですが、結局「ローマ人の物語」、読み終わりませんでした(いや〜妄想多くてついあちこち寄り道を・・・)。
ユーロを導入してから渡伊は初めてなので、数字に弱い私としては慣れるまでちょっとドキドキものです。っていうか、喋れるのかイタリア語!?

イタリア大好きゲーテは

君や知る、レモン花咲く国、
暗き葉かげに黄金のオレンジの輝き、
なごやかな風、青空より吹き、
てんにん花は静かに、月桂樹は高くそびゆ。
君や知る、かしこ。
かなたへ、かなたへ!
君と共に行かまし、あわれ、わがいとしき人よ。
(高橋健二訳)

と憧れも露にウキウキしてます。

アンデルセンは

天地の万物すべてが太陽の輝きと永遠の春を讃美していた。ぶどうの蔓はうねうねと木から木へかかっていた。私はイタリアをこの時ほど美しくながめたことはない
(大畑末吉訳)

スタンダールは

アリゴ・ベーレ(アンリ・ベール)、ミラノの人、生きた、書いた、恋した

と、カエサルの「来た、見た、勝った」を襲って墓碑にこう記すように遺言し、死ぬまでミラノを愛し続けました。


一方、サムライはといえば、
全く外国に憧れもなにもない直前までちょんまげ結っていた岩倉使節団の面々。「特命全権大使 米欧回覧実記」を記した久米久武はイタリアに列車が入ったときの印象を、

「アルプス」ノ山ヲコエテ、以太利ノ境ニ入レバ

山秀テ水清ク、空気清暢ニシテ、土壌肥腴ナリ、草木ミナ茂シ、野芳モ姸姸トシテ、美ヲ争フ

と、イタリアに入りトスカーナの長閑な風景を眺めつつこう表現していて、公式報告書なだけに冷静な観察ですが、やはり太陽の恵みを感じさせる文ですね。
もっとも、そのあとに、雑草は伸びっぱなしだし、ゴミだらけだし、人はだらけているし、ちっとも勤勉じゃないというマイナス評価を与えていますが・・・(苦笑)。そして、アルプスからイタリアに入った感覚が、軽井沢から碓井峠を越えて高崎に下りてきたイメージというのが面白いというか、当時の人たちにとってはそういう景色だったのか碓井峠越え!?

久米の公式記録とは違って、超個人的日記を残した木戸孝允。イタリアで最初に訪れた地ヴェネツィアのサン・マルコ寺院のモザイクの素晴らしさに目を見張ってます(ホントあそこはすっごいキレイで大好きですよ)。簡潔な文ですが、イタリアにおいて彼が美しさに驚いた感情が伝わってくるのはヴェネツィアだけです。お上りさんだったとはいえ、さすがに2年近くも米欧を周遊していたら西洋建築にも慣れるでしょう。ところが、北西ヨーロッパでは見かけなかったビザンチン美術に感動したんでしょうね。
よくよく日記を追ってみると、イタリア縦断の往復でなにげに二度も美食の町ボローニャで昼飯を喰い(旨旨ボロネーゼか!?)、ナポリで珊瑚細工を買いまくったりして(きっとカメオも買っただろう)二日間もショッピングを楽しみ(笑)、ポンペイではよほど興味を持ったのか、発掘された酒瓶やローマ式浴場のイラストなどまでちょいちょい描いて克明に記録していて、彼のびっくりが伝わってきそうです。
もちろん彼らは維新政府の進むべき政体を探る目的での視察旅行で、特にキリスト教に対してはかなり構えて接してますが、140年も前の日本人も現代の私たちと同じところで感動したり、興味を持ったりしているのが改めて面白いですよね。

ではでは、私も彼の地へ飛んで来ます。また新たなびっくりを期待して。
明日から半月ほどコメントへの返事ができませんのでご了承ください。


NHK連続人形活劇 新・三銃士 仰天の#9

白丸 | 三銃士映画 | 22:32 | comments(2) | trackbacks(0)
10話が怒濤の勢いで終了しました。
なんだか、話数を重ねるにしたがって、
誰、このアトス!?(爆) 
って感じが大きくなっていくんですが(なんせ猿田彦がモデルですからねぇ)。
えっ、もうミレディと再会?しかもなんだろ、この和気あいあいな元夫婦は!(苦笑)ケティを可愛がっているし、アトス・・・。
もはや別人です。でもこういうタイプもカワイイ(笑/いや、猿田彦好きなんです)。

原作では、どちらかというとポルトスとアラミスが掛け合いしていた気がするのですが、三谷版ではアトスとアラミスの掛け合いが可笑しい。アトスが親衛隊(なんだかSWのドロイドみたい・・・)に逮捕されたときと釈放されたときのアラミスがおっもしろい。しかも、えっ、ヨガしている?ここんちのアラミス侮れません。っていうか一番カッコイイ位置づけかも。

原作離れて、また新鮮な三銃士を観ている感覚で楽しんでます。

NHK連続人形活劇 新・三銃士

白丸 | 三銃士映画 | 22:21 | comments(4) | trackbacks(0)
 10/12よりいよいよ始まりました。NHK連続人形活劇「新・三銃士」
 
NHKの人形劇といえば、私は、「新・八犬伝」の大ファンだった兄貴にくっつかってよく観ていて好きでした。でも、なにしろ小学生低学年だったので、まーたく覚えてません。今回、カウントダウン新・三銃士で、懐かしフィルムが映し出されたので、改めて、ああ、こんな感じだったかも・・って。
で、「新・三銃士」。いや〜、人形なのにすごく表情豊かに見えますね。しょっぱなにロ伯に殺されてしまう銃士の顔の表情で、もうその質の高さに驚きです。人形やセットの出来が本当にすばらしくて、CG全盛の時代に敢えてのアナログ感が、アナログ人間としては嬉しくなってしまいます。
しかし、王宮のヘンテコな塔はびっくりした。なんかおどろおどろしくって、ロード・オブ・ザ・リングのバラド=ドゥアみたいか!?って思ってしまいました(笑)。
ベルトラン父ちゃんの今際の際の台詞は思わず吹き出してしまった。初回から三谷さんにやられましたかね(苦笑)。
オープニングロールの影絵のような絵がたまらなく気に入りました。すっごいカッコいいですよ!主題曲はスパニッシュ・コネクションなだけあってスパニッシュですね。でもこれもカッコいい!また音楽でツボに入るか?(笑)

関係ないですけど、フランス繋がりで。
今日の新刊で、フランス語のダジャ単が出ていたんですけど、パラパラめくっていて思わず笑ってしまいましたよ。ダジャレで覚えるのは好みじゃないですけど、こーゆーの読むのは好きです。

漢だよ古代ローマ人2

白丸 | 古代ローマ | 09:46 | comments(0) | trackbacks(0)
 「ローマ人の物語」もようやくコモドゥスの次のセヴェルス(「終わりの始まり」)まできました。共和制時代のローマ人にはけっこー惚れたんですが、帝政に入ってからは白丸的にはなかなか燃える漢はいないですねー。

一番気に入ったのはコルブロ。だらけきっていたローマ兵を酷寒の冬山合宿でビシバシ鍛えて精鋭の兵士に仕立てあげたってところでコロッといきますね。それで、敵を撃退しまくる反面柔軟性もある。ネロに国家反逆の疑いかけられて自決させられてしまったが・・・(わ〜ん/泣)。


皇帝の中ではとなると、これまた軍人上がりのトライアヌスかな。トライアヌスの円柱の解説はかなりツボにハマりました(実は皇帝のフォロには入ったことがないんです)。リレーフの写真は数枚だけで、あとは文章での解説。想像力をかき立てられてすっごい楽しかったです。トライアヌスの軍がダキア(現ルーマニア)の地を進むにつれて、森があろうが山があろうが、ガシガシローマ式舗装道ができ、橋が架かり、町ができ、円形競技場ができ、浴場ができ、と、彼らが歩く後には文明がという案配で、その様を想像するだけでも凄い。

と見ていくと、つまり私は武人が好きなのですね(苦笑)。ワインは水で割っていたローマ人。ストレートで飲む人は大酒飲みと言われていたがその一人がトライアヌスで(ティベリウスも)、その酒豪さも好ましいですね(自分がワイン好きだから/笑)。とはいえ、立派すぎて可愛げがないんですね。帝政創成期のアグリッパも質実剛健な武人でいい線いくか?と期待したんですが、アウグストゥスに生真面目なほど忠実だったというだけで、イマイチ人間的温度を感じるエピがないので性格が見えてこないんですよ。



ここまできたらようやく映画の背景の時代ですね。というわけで小休止して、「ローマ帝国の滅亡」と「グラディエーター」で映像的に盛り上げ。


「ローマ帝国の滅亡」は、崖っぷちでの戦車のチェイスと、ゲルマン人の信仰と、炎が燃え上がるラストのシーンがやたら強烈に印象に残っていた映画でした。どちらかというと「ベン・ハー」よりも自分は好みだったりします。

「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐のクリストファー・プラマーがコモドゥスで、初めて観たときには「トラップ大佐が〜!(悲)」と、ぶっとびました。今、久しぶりに観てもぶっとびますが、意外と狂気が似合うヒトなのですよ。

本当は、マルクス・アウレリウスの時代に起こった帝国各地の争乱と疫病ですが、こういった諸々の帝国の綻びや疫病等の不幸を息子の治世にもってきて、より''彼''からローマ帝国の滅亡が始まったとのインパクトづけは、一人の人物を悪の象徴にする非常に映画的手法ですね。マルクス・アウレリウスは賢帝だからンな(この頃からすでに下降線の兆候があった)わけないみたいな意識が働いているのでしょうね、きっと。

私は以前からこの賢帝をなにやら好きになれなかったのですが、本を読んでその理由がわかりましたよ。結局私は武人が好きなんですね(再苦笑)。哲学的でもいいけど文武両道じゃなきゃダメなんですよ。モエないんですねー(笑/アレック・ギネスはよかったですが)。

後半は結構トンデモな展開だったり(ペルシア征服になってたり、元老院議員がローマをこれからコモドゥスと改名すると提議したり、皇帝位を金でどんどこ買おうとしたり*)しますが、ギリシア人奴隷(元家庭教師か?)が皇帝の従者で、あれは誰それと耳打ちしたり(ノーメンクラトールという役だそうです)と、当時の奴隷または解放奴隷の役割をちゃんと描いたりして侮れないところがあるのですよ。

ラストがオーディンで締めるところが凄い。完璧ゲルマン人による滅亡を運命づけてますね。


コモドゥス暗殺後の内乱を経て皇帝になったセヴェルスは、こう言って息を引き取りました。


わたしは、すべてをやった。元老院議員でもあった。弁護士もやった。執政官も務めた。大隊長もやった。将軍でもあった。そして皇帝もやったのだ。つまりは、国家の要職はすべて経験し、しかも充分に勤めあげたという自信ならばある。

だが、今になってみると、そのすべてが無駄であったようだ


ローマの衰頽はもはや止めようがないのか・・・。


アッピア街道沿いの墓石群がちょっとツボですねー。

墓碑に刻まれた碑文で気に入っている言葉があります。


おお、そこを通り過ぎていくあなた、ここに来て一休みしていかないか。頭を横に振っている。なに、休みたくない?と言ったって、いずれはあなたもここに入る身ですよ



「グラディエーター」も数年ぶり。オリバー・リードの最期の姿を見ると胸が熱くなります。最期までギラギラと強烈な個性を放っていた人で、老いてもあの物言う青い目は健在でした。残念ながら彼が撮影中に急逝したために、エンディングを変えざるを得なかったそうですが、プロキシモの矜持を最大限に見せるには結果的にはこちらの方がよかったでしょう。本来は打算大ありのクセモノなおヒト設定だったと思うんですけど、おかげでプロキシモが善の人になっちゃいました。

こちらもコモドゥス役のホアキン・フェニックスが背伸びしている未熟者っぽくていいんですよ。目も異常性帯びてるし、姉のルチッラを求めるなんて、このコモドゥスだったらあり得そう。元老院を解散するなんて言っちゃったら放っておいても遅かれ早かれ暗殺の運命ですね。

この作品は新皇帝と元将軍の因縁の対決に絞っていて、見所はやっぱり剣闘試合なんですが、さりげなくローマの再生に立ち上がる元老院議員にグラックスという名をつけていたりします。とはいえ、愚皇帝が死んでローマにパスクが訪れるか?となると否で、改革者グラックスはいずれ潰され内乱勃発だろと思わずにはいられませんでしたが。マクシマスにとってはやっとパスクが訪れたんでしょうけど。

ザマの戦いが史実と違う結果になったり、剣闘が終わったらトラが大人しくなったのが、この殺伐した映画の中で可笑しいところですね。

ちなみに、ルチッラは弟の暗殺未遂を犯して流罪の末、殺されているのが史実です。


「パスク・ロマーナ」から「終わりの始まり」の間に入っている「すべての道はローマに通ず」上下巻のインフラの回が案外面白いですよ。ローマ式ロードサービスマップやら、都市間の距離が刻まれた旅行用の銀製のコップ。いや、これ売ってたら買うでしょう!

オススメ本はこちら。古代ローマの町に放り込まれた感覚になりますよ。地図は4世紀の復元ですが、まるで通りの向こうからカエサルなんかがやって来そうで、ヤアなんて声かけたくなっちゃいます。


追記

*実際、親衛隊の皇帝位の競売に競り勝ったディディウス・ユリアヌスがいたか!

ローマ帝国特集

白丸 | 古代ローマ | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0)
まだまだローマ月間中。

それが、ナイスタイミングで、今月からヒストリーチャンネルでローマ帝国大特集をしているんですよ。

「ローマ帝国 繁栄と滅亡」(全13回)「NHKスペシャル ローマ帝国」(全3回)「古代ローマ帝国の光と影」(前後編)の3シリーズ。

ヒストリーチャンネル


それにしても、「ローマ帝国 繁栄と滅亡」の第一エピは、「キンブリ人の侵略」で、なんとマリウスが主役じゃないですか。

ああー、ここから扱うかという感じです。突然マリウスきたか!みたいな。

「ローマ人の物語」を読んでから、ローマが国家路線を変えたのは第二次ポエニ戦争終了後からかという認識ができたので、ザマの会戦からちょちょいと説明入れて(単にスキピオが見たかっただけだったり?/笑)、地中海の覇者となったらなったで噴出した問題に果敢に立ち向かうグラックス兄弟あたりにも触れて欲しかったですが、「ローマ人の物語」とはまた違ったアングルで見れたのは面白かったですね。

タイトルから、なんとなくこのシリーズは戦役をターニングポイントにして繁栄と滅亡を描こうとしているのかなと想像したら、「ローマの指導者たち、そして敵対する外国軍の視点から」ということでした。なるほど。だから同盟者戦役には光を当てないのか。

キンブリ人との戦いをメインにもってくるなら、マリウスと共に執政官として出陣していたカトゥルスの幕僚として戦場にいた、後の政敵スッラもチラッと出してくれていたら燃えましたな。ちょっと笑ったのが、ゲルマン人は香水をつけていた・・熊のオイルを・・ローマ人はオリーブオイルだった・・ってゆーのがやたら可笑しかったです。

ロシア版「Tayna korolevy Anny ili mushketyory 30 let spustya」(1993)

白丸 | 三銃士映画 | 09:27 | comments(2) | trackbacks(0)

「Tayna korolevy Anny ili mushketyory 30 let spustya」(1993)

ロシア版「三銃士」の第三作「三十年後」です。

「三銃士」「二十年後」の力入れようから比べると、前後編で150分と、かなり物足りない感がありますが、なんにせよ、モンク将軍エピが映像化されたのは画期的で、それだけでも観る価値ありです。


「三十年後」に当たる原作第三部は「ブラジュロンヌ子爵」という題が象徴するように、まず初めに映る''顔''はラウルとルイーズ。おそらくブロワのお城での出会いでしょうね。

ラウルは、私の勝手イメージの、ド真面目な性格だけれども若者らしい衝動性を合わせ持ち、些かパパよりも迂闊な(笑)黒髪細身のハンサム君ーーな感じではなく、落ち着いた中肉中背の柔和な感じ。迂闊っぽくはありますが(爆)。まあ、ロシア版アトスの子として親子の雰囲気はばっちり出ているのでよいのではないでしょうか。


そのラウルが久方ぶりにラ・フェール伯爵邸に戻って来る。おそらく伯爵が丹誠込めて育てたであろう花を愛おしそうに見るラウル。そしてその花々から伯爵の思いを感じたラウルが邸の方を振り向く。うわ〜、すっごい愛を感じるシーンです。

帰って来た。ラウルが帰って来た!」とはここんチのアトスは感情をモロに出しては驚喜しなかったですが(残念)、ガッシリと感動の再会。アトスの見かけは全く変わってませんね(ホッ)。


ダルの初登場が笑いますよ。お城で花火を上げての饗宴中、ルイ14世の目に止まったルイーズ。その有様を眺めてグチり始めたのがダルタニャン!(笑)初登場がこれかよ!

チャールズ2世がルイ14世を頼りに来てダルが盗み聞きし、現状に我慢ならんと暇乞いする流れは原作通り。マザラン枢機卿の従者(ベルヌアン相当)との金勘定が楽しいのです。


微妙に違うのがアトスの方からチャールス2世を訪ねること。この辺も、このロシア版のシリーズではグリモーなど従者が描かれていないことからくる白丸的名シーンの省略があるのでした。この省略で二重の感動がないんですね。父王チャールズ1世の最期を共にした献身的貴族との偶然的出遇い。しかも絶望していた最中の思わぬ真実と貴族的申し出。お爺ちゃんグリモーの感動に震えるシーンを画で見たいゾ!

アトスはイギリスへ乗り込むお供にラウルを連れ、一方、楽しげな漁師姿のダルのお供はポルトス。


さて、モンク将軍です。ジョージ・モンクの肖像画は存在するのですが、私の中でのモンク将軍はこれからずっとあの顔になりそうです(笑)。

貴族としての信義が重要な要素になるこのモンク将軍とアトスの会見は、原作の、モンクの疑心とその心理の変化、腹の探り合い、泰然たる態度で堂々と対しながらも内心ドキドキもののアトスだろ?(笑)という重い緊張感はイマイチ出せないでいますが、それなりに楽しい対決ではあります。モンクが手渡した短剣をアトスが何と言ってラウルに渡したのか・・・。重装備なモンクに対して丸腰になったアトスが、金貨堀りのために短剣を求めたときのモンクの短銃に手をかけるところがワクワクして好きなんですけど、このロシア版で唯一武器で鎌をかけるのがこの短剣なのです。

苦労した挙げ句に、モンクの部下たちに詰問されて硬化したアトスたちの一方で、モンク誘拐に成功して愉快にご飯食べている船上のダルとポルトス。何てことを!と頭抱えるチャールズが可笑しいのです。魚臭いままのモンクに会ったかと思うと・・・。


焼き討ちはすっとばし(悲)、チャールズ2世の戴冠式。ダルと哲学的省察をしているのはアトスではなくポルトス。ちなみに、原作で、チャールズ2世の入城に呼ばれもせず、クサクサして皮肉とグチを言い通しのダルと、こちらも泰然自若としつつも内心寂しい思いでいたアトスの二人のコンビは微笑ましいシーンなんです。

で、アトスは戴冠式で、チャールズ2世より金羊毛勲章を授勲されます。そこでダル、カメラに向かって(笑)ブツブツ!そのときモンクがグチりダルの方をチラッと見るのがまた笑いを誘うのですよ。それから嬉しそうなアトスを小突くの。ダルってカワイイ。


後編は「鉄仮面」エピ。


ここで初めてアラミスが出てきます。イエズス会管区長の死と継承シーンだよ。陰謀でオドロオドロしい予感の始まりなのに、何故かバックソングは楽しそうなダルの歌声(笑)。アラミス、いくら(管区長の)指輪が欲しいからって注視しすぎだよ。

アラミスのテーマソングが今回はパイプオルガンで奏でられてます。似合い過ぎです〜。

ここでまたもや貧乏くじを引いたのがラ・ラメー(ベーズモー君は省略)。この一連でのアラミスの書類偽造&すり替え作戦が面白い。通風で苦しむマザランを看護するベルヌアンがいつもながらマメマメしいなあ。


アラミスが陰謀に勤しんでいる間、ダルたちはまだ船上。船乗りたちと乱闘までしています。「三銃士」作品は護衛士との滑稽な乱闘シーンも売りの一つでしたから、乱闘がないと何か物足りない気分になるのはファン共通の心理でしょう。本作ではその喧嘩相手の不死身ジュサックもいませんしね。


ルイ14世から冷たくされお悩み中のラウル君。アラミスに遇ったが百年目。苦悩ラウルに王とルイーズの逢い引き現場まで見せるアラミスは悪魔だ!(笑)そうか、そうやって裏ラウルにして陰謀に加担させたのだな。さすが陰謀家の名に恥じないよアラミス。

それにしても、今読んでいる「ローマ人の物語」で、遊び友達でもあったネロ帝に妻を横恋慕されたオトーが、ネロにローマから離れたスペイン属州に追いやられて、そのあと妻がネロと再婚してもクサクサせずに何年も総督として善政を施したというエピが出てきたときに、ラウルも割り切って前に向かう人間だったらなーとつくづく思いましたよ(ま、パパがね・・・)。


床屋が使っている布に薬を染み込ませるとはやるなーアラミス。しかもラウル、異変に気づいた床屋を派手に撃ってしまったよ。もう完全に国家反逆罪です!それにしても堂々とルイ14世を誘拐するアラミスとラウル。ベッドはうぃ〜んと下がりません(笑)。外の庭園ではまたもや花火のお祭り中。ダル、アトス、ポルトスも招待されているのかそこにウロウロいる。その人混みの中、またもや大胆にルイを連れ出す二人(苦笑)。酔っぱらいを運んでいるとでも思わせているのかしら。でもポルトスに気づかれているし。

Iさんもご指摘の通り、ルイが別人みたいに変わってしまったのにびっくりしたルイーズが、狼狽えて何故かアトスに「伯爵さまぁ〜」って感じで知らせにくるんです。なんか凄く頭くるな・・・。


何やらピンときたダルとアトスは即行動に打って出て、バスティーユから王様を救出する。この、ダルとアトスの顔を見たときの泣きついてくるルイ14世がすっごいカワイイんですよ〜。ルイ14世の中のヒトはロシアのフィギュアスケート選手とかにいそうな金髪のハンサムさんなんですが、それがオイオイ泣くのがなんとも。王宮に戻る馬車の中で、ダルの肩に寄りかかってうとうとするルイもカワイイ。


そして王宮でばったり遭遇してしまった両陣。チャンチャンバラバラが始まります。初め、ルイ14世が''アトスの剣''を奪って(ルイはバスティーユから直接来たので丸腰だった)戦おうとしたのがちょっとモエ。いくら仮面を被っているからって気づくだろ、オイ!とツッコミ入れたくなりますが、ダル・アラミス、アトス・ラウルと激しく剣戟かと思いきや、全く迫力がない・・・(齢の所為も・・/汗)。


アンヌ王妃・フィリップ感動の再会と退場と進み、さあ激怒のルイ14世。アトスに、(多分)どう落とし前つけるのだ、ラ・フェール伯爵!?と詰め寄る。ラウルがアラミスと行動を共にしていたと聞いた時点で、そしてルイをバスティーユで発見してからは確実にアトスは覚悟したと思うんですが、アトスかなりキツい返答の仕方してます。何て言ったんだろう。

この最悪な危機的場面に頓知のダルが活躍〜と期待した矢先に、そこへしゃしゃり出て来たのが、何故か余裕な感じのマザラン。どうやってルイにグゥの音も出せなくさせて引き下がらせたのか。いいトコ横からさらっちゃいましたねーマザラン。


ラストは唐突に乗駱駝で砂漠行の四人。あれ?アフリカ戦線にやられたのかな?と思いましたけど、国家反逆罪の片割れのラウルはいないし、特に軍備を整えているわけでもないし。あのマザランとの爆笑からすると、ある程度ほとぼりが冷めるまで国外で遊んでろやみたいなノリですか。イザというときは頼りになるけど弱み握られているし、過去のことグチグチ言われるし(笑)、煩いわ、ちっとも言うこと聞かないわで、厄介払いみたいな。60爺さんにはちょっとキツい環境だなぁ。キレイな手にシミを作らないように(笑)。


かなり最後が呆気なく決着しすぎで、エンターテインメント性を発揮できる「鉄仮面」編の改変は全然オッケーなのですが、喜劇にしても熱く胸にグッとくる重厚さに欠けてしまったのが残念。仲間が分かれちゃうのは、これはこれでツボではありましたが。

アフリカ編で番外編作っていたら面白かったかも。


とはいえ、「鉄仮面」エピ以外はほぼ原作準拠のロシア版「三銃士」シリーズ三部作、自分的にはリチャード・レスター版と並ぶかなりのオススメ作品です!

とにかく、何と言っても第一作「三銃士」の歌は必聴!!



ロシア版シリーズDVD情報 すべて網羅するにはマルチな再生機が必要。

「D'Artanyan i tri mushketyora 」(1978 / Д’Артаньян и три мушкетёра)ロシア語音声、英語字幕付き。

「Mushketyory 20 let spustya」 (1992 / Мушкетёры двадцать лет спустя)ロシア語音声のみ。

「Tayna korolevy Anny ili mushketyory 30 let spustya」 (1993 / Тайна королевы Анны, или Мушкетёры тридцать лет спустя Возвращение)ロシア語音声のみ。

番外編

「Vozvrashchenie mushketyorov, ili Sokrovishcha kardinala Mazarini」 (2009 / мушкетёров, или сокровища кардинала Мазарини)ロシア語音声のみ。


今回の第三作目はこちら↓の巻のエピから。 

漢だよ古代ローマ人

白丸 | 古代ローマ | 22:20 | comments(2) | trackbacks(0)
 この夏より古代ローマ月間やってます。
「ローマ人の物語」もアウグストゥスまで読み終わりました。現代イタリア人からは想像もつきませんが、共和制時代のローマ人は「武士に二言はない」武人精神バリバリの名誉を尊ぶヒトたちで、これで白丸の心は一気にローマ人の漢気の魅力にまいってます(笑)。ハンニバル戦記の頃も勇敢な武人輩出で、ハンニバルに立ち向かうローマ人の根性がカッコいい!好みはやっぱりスキピオ・アフリカヌスや「ローマの剣」のマルケルスですか。

当時のスキピオはまだ若年の生意気さが残った感じですけど、いかにも育ちのいい明るさで許されちゃう可愛さが良いですねー。で、さらりと勝ってしまう。老ファビウスにはきっと「新人類」(笑)と写ったんじゃないですか?若かろうがボンボンだろうが真の男としての本質は、元はカルタゴと同盟していた勇猛なヌミディア王のマシニッサが親友とまでなったくらいですからホンモノですよ。マシニッサがほんの少しの手勢のみ引き連れてスキピオの許にやってきたときの二人にはグッときますよ!
マルケルスの豪快さはまたそれが魅力。急に恐怖に取り付かれ、敵前で逃げ出してしまった部下たちへの叱責の仕様がカッコいい。あれじゃ、明日を見ていてください!って燃えるでしょう。ハンニバルも彼の人物を認めてローマ式に丁重に火葬したというエピも泣かせますねー(そのあとのオチはちょっと可笑しいのだけど)。
そういえば、スキピオやスッラなどが属すコルネリウス一門はローマ人には珍しく火葬しないとか。このへん、どういった信仰的理由でなのか興味津々。しかし、コルネリウス、コルネリウスと頻繁に名が出てくると、どうも「猿の惑星」のコーネリアスを思い出しちゃって(しかも息子がシーザー)。

カエサルはつくづく凄い男で、私が軍人だったら絶対彼の子飼いになりたいと思うほどの魅力なんですが、私は出来すぎ男よりもちょっと困ったちゃんの方が好きなのです。キケロとか(マジ!?)。いや、あそこまでくるとカワイイですよ。「ど〜しよう、ど〜しよう(涙)」な狼狽えようは(笑)。あと、スッラの像を見てから、スッラのカリスマ性バシバシ発している顔力にかなりドキドキで、やられそうですワ。処刑の嵐さえ吹かなければあのグイグイ引っ張る行動力は頼もしすぎ。

英雄たちの像を見比べていても楽しいです。見ていると段々彼らが喋り出しそうで、像からでも性格とか窺えそうですもん。やっぱりローマ人の骨格は、いわゆるギリシア彫刻のような美しい顔から比べるとちょっと無骨系ですよね。気質が顔に出ているようなものですかねぇ。その中でアウグストゥスのような美しい顔の像を、ガシガシ彫像やコインやらになって彼方此方にばらまかれ、日常目にすることになった当時の人たちがどう思ったか想像すると面白いものがありますね。私としてはアウグストゥスの右腕のアグリッパの顔の方が男っぽくて好みですが(笑)。

ミュージカル「三銃士」その1

白丸 | 三銃士映画 | 09:50 | comments(4) | trackbacks(0)
 巷で話題のミュージカル「三銃士」にいよいよ手を出すことにし、楽しみに荷物が届くのを待っていました。ブツはオススメのオランダ、ロッテルダム版・・・だったはずなんですが、観始めたところ、何か変・・・。

ジャケの文字にはほとんど目もくれずにディスクをかけてしまったんですが、まず、メニュー画面が読めない(汗)。未知のオランダ語だからか・・と深く考えもせず(そこで気づけよ)、されど少し違和感を感じながら再生開始。

はぁー、熱いアトスとリシュリュー様だったなぁと観終わり、改めてケースを眺めると、妙な文字列・・・。で、よくよく見てみると、

言語が「Česky」になっている!

そうです、間違えてチェコ版ミュージカルのDVDを買ってしまったんです!マヌケすぎだー。確かに言語の響きがゲルマン語系とはなんか違うと思った。こちら「Tři mušketýři」だったんですね。

いや〜、しかしびっくり。これはこれでよかったですけど、またオランダ版を取り寄せるとなると送料勿体なかった。


だいぶ原作エピの編成変えをしていますが、チェコ版、歌のパフォーマンスとしてはとてもよい舞台でした。しかも、このチェコ版演出ではブライアン・アダムス、ロッド・スチュワート、スティングの名曲「All for Love」が使われていて大熱唱するのですよ!

ただこのDVD、多少混乱してそのせいで盛り上がりが時々ブチブチと中断されてしまうのが、この演目、各役を複数の役者さんが演じているのですが、おそらくそれらの演技の中で最も完成度が高いものを選んでつぎはぎして一本の作品として編集しているので、シーン毎に役者さんが違う!一番愕然としたのが、アラミスがいつの間にか短髪でがたいの良い俳優さんに変わっていたとき。が〜ん!って感じです(バッキンガムだった人がいきなりロ伯になったときもぶっとんだ。←このヒト、ダルもやっているマルチさん)。


問題のアトスですが、初登場のアトスは、ワイルドで威勢が良くて血の気多そうなのです(←えっ、誰!?/爆)。このワイルドアトスが歌声もワイルドで、「All for Love」を高音でがなり立てる歌い方だったんですよ(笑)。そうしたら、このアトスの中のヒトJosef Vojtek氏、ロック歌手なんですねー。髪型もロック歌手っぽく、長髪。舞台のコスプレでの長髪は、あれは地毛なんですよ。

ミレディ処刑前に、ミレディとの愛おしくも悲しい美しいデュエット曲「Čas na lásku mít」があるんですが、ボーナスDVDに4種もこの曲のミュージックビデオが入っていて、きっと、ミレディ役のMonika Absolonováと共に人気歌手なんだろうなと思ってしまいます。ビデオで普段着姿の彼女が足ばたばたする仕種がかわいくって、この中の二人みたいに実際にアトスとミレディが仲睦まじかったらどんなに幸せな家庭を・・・なんて思わずにはいられないワイルドアトスと素顔の彼女でした。この二人だからこそ、舞台のラストはああなるのね(ミレディの夜の女王様な衣装にぎゃふんでしたが)。


そして、今度は、ラ・フェール伯爵の恋の歌(また歌になったよ!)を歌うPetr Kolář版アトス。この方もまたまたロックミュージシャンで、長髪はまたもや地毛!(凄すぎるぜ、チェコ人)こちらはとってもきれいな声でした。歌の背景のビデオが(ラ・フェール伯爵の恋の物語)、アトスの思い入れたっぷりに描かれていて、その情感にちょっとモエました(カラオケの背景みたいだったけど)。「All for Love」大熱唱のシーンは彼の版が収録されていて、いい声に聴き入ってしますが、ブライアン・アダムスやロッド・スチュワートの声質と比べるとワイルドアトスさんの方が曲の雰囲気合っていますかね(笑)。

Petr Kolářさん、誰かに雰囲気似ていると思ったら、ファラミア@ウェナムをぺちゃっと縮めた感じのお顔なんで個人的にニヤついてしまいました。


ダル役もプロの舞台俳優やミュージシャンが演じていて、歌もとってもよかったですけど、容姿がガスコンっぽいコクがなかったので一度の視聴では心にググっとは来ず(最近観まくっていたロシア版が凄すぎたのよ/苦笑)。ミュージックビデオでのPavol Haberaさんの歌う画が一番印象ありです。

ポルトス、アラミスは存在薄し。銀髪ポルトスさんが、ちょっとフランク・フェンレイ系のコミカルさを持っているので、注目したくらい。


チェコ版でダントツに熱かったのがリシュリュー様!

リシュリュー役の一人、Josef Bohouš氏は、これまた長髪のミュージシャンなんです。やはり彼のミュージックビデオもあって、いかにもミュージシャンな彼が段々リシュリューに変身していく化粧のシーンがイケてますよ。しかし、ダル役のうち二人もまた長髪組で、チェコのミュージシャンはロン毛の確率高しなのかしら(笑)。


踊る護衛士がよかったです。極めつけはリシュリューのバック。赤いカソック姿の集団が踊りまくるのには大ウケです!

熱いリシュリュー様と赤い軍団はこちら

youtube



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